正しい西新宿の光景

西新宿で逢ったひと

西新宿で逢ったひと

お昼、ご飯を食べようとチキン亭にお邪魔しました。
そこに居合わせた、私以外の客層は以下の通り。
恐らく夜勤明け、ガテン系のおっさん。
背後には、朝からテンション高く、とりとめのない話に花を咲かせているバカップル。
目の前には、若くして人生に疲れきってしまった無精ヒゲの青年。
そして私のふたつ隣りには、革ジャンにスキンヘッド、黒縁眼がねをかけて、一見代官山辺りで働いてそうなバッチシ決めている男性。
ガテン系のおっさんは朝からカロリー高そうなトンカツ定食をほお張っている。
カップルの交わす耳障りな金属音に辟易している私だが、目の前で今にも死ぬことばかり考えてそうな青年には、そんな喧騒など届かないのだろう。ずっと俯いたまま、視線は人生の終えんを見つめていそうだ。
そんなに負のオーラ発散してたら、アンタ本当に早死にしちまうぜ!
やり手営業マンの風格漂うスキンヘッドの男性だが、ちょっと「チック」が入ってて行動が危うい。
飯を食いながら、時折ガッツポーズのような形をとる。
先日行われたボクシングの試合、亀田の大人気ない行為に腹を立てているようでもあり、つまりは
「あんな大バカ野郎なんて、俺がぶんなぐってやるぜ!」
とでも言いたいのだろうか。きっと彼の想像の中では、パンチを避けながらカウンター気味の一発でも狙っているのだろう。
ってか、おい!
店内にZARDの曲が掛かり始めたら、急にノリノリになったじゃないか!
人目をはばからず、テーブルを叩いてリズムを取り出してしまった彼。
なんだ、ZARD好きだったのか。
なんてこった。こいつら全員、「死」にとり付かれてやがる!
大都会。これがごく普通の光景なのだから、恐ろしいですよね。

@ちぇっそ@