凶殺都市

至福教団の魔手に掛かり絶命した氷室は地獄に堕とされた。しかし未だ恨みの収まらぬ氷室は、業火に焼かれても、人食い植物に体を引きちぎられようとも、餓鬼の臓物をほお張りながら、至福教団への復讐に燃えているのだった。そしてその執念が実ったか、突如として氷室は地上へ蘇り、教団の手によって今やすっかり魔界都市と化した新宿で、教団の本堂目指して突撃していた!
前作、「聖獣都市」の続編。今回のストーリーもまた、身もフタもない殺戮とアクションに満ちたスプラッタ長編です。
あれから10年。力を増した至福教団によって、新宿の街は支配されていました。人体破裂などの怪奇現象は後を立たず、時に「レディ」と呼ばれる狂信者が現れては、次々と人間どもを狩って行くのです。
武装警察が組織されますが、「レディ」の魔力に対抗するため、隊員は薬物によってその人格を喪失させられ、命令にだけ忠実となるよう半ばロボトミーのような措置が施されています。それを指揮するのは、生身の状態ただ一人「レディ」の魔力が通用しない中西と言う無頼漢。
冒頭、死んだ人間が生き返る辺りで、既におかしなことになってますが、その蘇りの瞬間を読めば、「ああ、これが書きたかっただけなのね」と妙に納得すると言うか、こう言ったディテール優先するめ、常識と言ったものを無視して突っ走る友成節が炸裂していることが分かります。
後はもう、「こう言う酷い場面を描きたいからコイツらを登場させる」と言った具合に、自分の欲求優先で敷かれる伏線の数々に脱帽、と言うか脱力してしまう私がいるのです。
本当に酷いよなぁ。これじゃいくらフィクションだからって、登場人物は浮かばれないな。などと変な意味での同情が湧いてしまいます(笑)
前作同様、後は残酷描写に終始していますので、内容は推して知るべし!と言ったところなのですが、読み進めるうちに、「このペースじゃ話が終わらないよな?」と思い始めました。
すると案の定、強引に締めくくられたエンディングがあり、予想通り続編へ向かうしかない完結を迎えます。
やだなぁ。もう読みたくないんですけど(笑)と言いますか、さすがにもう続編は持ってないです。良かった、これで解放される。
でもあと一冊あったなぁ。あ、でもこれは「爆殺都市」か。続編じゃないですね。
ん?副題に「淫獣軍団PART2」とあるけど、もしかして新シリーズとして再開された代物でしょうか?(実は背表紙ししか確認してない)
ヤバ。やっぱり続編なんじゃん!?

@ちぇっそ@