聖獣都市 土竜の聖杯

新宿副都心に本堂を構える新興宗教団体、その名も至福教団。信徒はいずれも美女ばかり。彼らは教祖メビナを筆頭に、世界を破滅に導く壮大なる教義の成就に着手していた!内調の敏腕氷室は、元グリーンベレーで軍事狂いの陣内を使って、至福教団の壊滅を狙っていた。かくして怪物のような教団と、これまた怪物のような戦闘集団による戦いの幕が切って落とされる!
日本最狂のスプラッタ作家、友成純一氏による1986年発表の長編。
東京近郊で頻発するようになった怪奇現象。どうやらその原因は至福教団にあるようだと嗅ぎつけた政府の隠密機関。そのリーダーである氷室が、元軍人の精鋭部隊を使って化け物退治に乗り出す!と言えば聞こえは良いのですが、その悪者退治をする側も、社会の裏側に棲息する人間の皮を被った化け物のような連中と言った具合。
しかし毎度の事ながら、よくもこんなに猟奇趣味や残酷描写に対する飽くなき想像力が持続するもの。半ば呆れかけてページをめくる私があります。
ルポライターなどの経験から、いかにも胡散臭い話を都市伝説やら裏社会の構造などを交え、少しばかりのリアルをまぶして描いているのですが、基本的にエロか人体損壊の記述に終始している。
途中、失笑と共に本を置こうと思ったことが何度あるか(笑)。いやぁ、感服です。80年代の友成は最凶ですが、こんな酷い話は他にないですよ、ホント。
ついでに、こんなにいい加減な結末も他にない!ラスト数行のなんとも無邪気なエピソード、こんなオチってどう考えてもギャグだよなぁ(笑)

@ちぇっそ@