無防備都市 〜新宿ノーガード伝説〜

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いつもようにお店を閉め、駅へ向かう道すがら、新宿大ガード下交差点の一角に位置する松屋で夕飯を取りました。新商品のオリジナルカレーを頂くためです。
肉とかたくさん入っていて、大変満足の行く味だったのですが、そう言えば今朝は地下鉄ショッピングモール内にある「IMASA」でモーニングビーフカレーだったし、昨夜はオープン5周年記念のリトルスプーンで、カツカレー500円キャンペーンで食ったんだっけ。
気が付きゃ、3食連続カレー。インドの輸出産業に大変貢献しているワタクシでありました。
それはともかく、今夜の新宿は荒れておりました。そりゃもう、のっちゃんの野放し野放図っすよ!
カレーを腹に収めた私は、都営線に乗るため地下通路を歩いておりました。
すると前方に見えてきたのは、ショッピングモールの壁際でうずくまっているホームレス2人。
3月になって急に冷え込んできたこの頃。暖を取りに来たと思しき、初老の男性コンビでした。
家路へ向かうサラリーマンやOLが、多数行きかうにぎやかな通路。
するとホームレスが陣取る区画を通り過ぎる人々みな、何やら怪訝そうな顔つきになりながら、脇を振り返りながら進んでゆくのです。
確かに遠めで見ても、どこか非日常的な行為が行われていそうな雰囲気が感じ取れる。
「あそに、何があるんだ!?」
急ぎたい気持ちは山々なれど、野次馬根性丸出しで勇み寄っては、周囲から卑しい人間と思われかねない。
あくまで紳士的に、普通を装って現場に立ち会わなければならぬのです。
そして一歩、また一歩と近づく私の目に、ついに飛び込んできたその光景は!
「あ“ぁ”〜〜〜!か“い”ぃ“〜な”ぁ“〜〜!」
とか言いながら、ズボンを膝下までズリ下ろして、「バリっ!ボリっ!バリっ!」と、ケツを丸出しにしてかきむしっている老人がいたのです!
老人は壁に向かって前屈し、尻の両側を抱えるような形で、両手でもって「尻よ裂けよ!」と言わんばかりに一心不乱(ってか尻は最初から裂けてるか)
当然、尻は通路側に向いているわけで、通行人たちの好奇の目が、老人のしおれた白桃の上に注がれることになります。
座り仕事(物乞い)で床ずれした尻を揉みしだいているのでしょうか。
老人の尻には、蒙古はんと言うより、白い菌糸のような粉がふいており、それはそれは見事な「汚尻」となっておりました。
都会のあらゆる「怪異」に遭遇している私ですが、こんな人通りのある場所で、白昼堂々と丸出しの尻をかきむしる老人は初めて。
さしもの私も、思わずまじまじと見つめてしまいましたぁ!
通り過ぎた後もその光景がおかしくてたまらず、声にこそ出しませんでしたが、明らかに大爆笑の形へと顔面の筋肉が収縮しておりました。
対面からやってくる、「まだ見ぬ人々」の不信を買いながらも、尚且つ笑いのツボが治まる気配はありませんでした。
「いやぁ、凄いなぁ!」
アパートへ帰って、シャワーを浴びているときにまた思い出し、今度は独り、大声を上げて笑い倒しましたとさ!
私が見ている最中、見かねた男性が途中で老人に話しかけに行ったのですが、多分聞いちゃいねぇだろうな、あのじいさん。
地下のショッピングモール内に大爆笑をもたらしたこの事件。格差社会増大に伴い、遂にここ日本で、本格的な南米化現象が到来を告げたのかも知れません!

@ちぇっそ@