HEAVY METAL −LOUDER THAN LIFE−

昨年「メタル・ヘッドバンガーズ・ジャーニー(以下、M・H・J)」の影に隠れていまいち話題性に欠けてしまいましたが、奇しくも同じ年に存在していた、もうひとつのヘヴィメタル・ドキュメント。
全編ほぼ、ミュージシャンや音楽関係者たちのインタヴュー中心でまとめ上げられており、いかにもオタッキーな姿勢でメタルのルーツに迫った「M・H・J」とは一線を画す、よりジャーナリスティックな視点に立った一本になっています。
「M・H・J」のように系統立ててメタルを分析すると言うより(無邪気なサム・ダン監督の様子も楽しい)、ある程度方向性の決まった話をまとめた後に、別の話題に移っていくと言った構成になっています。従ってこの作品の要旨は、それぞれのインタヴューで語られるエピソードのおもしろさと言うことになります。
大御所から若手まで、それこそネタには事欠かない役者揃いなわけですから、歴史的に興味深い話や業界の楽屋まで様々なものが披露されて行きます。貴重なものかどうかはわかりませんが、70年代からのライヴ映像などもふんだんに盛り込まれ、とても楽しめる仕上がり。
特典映像には、本編から外されたインタビューも収録されており、こちらは「あなたの好きなメタル・アルバムは何か」など、ミュージシャンたちのよりプライヴェートに近づいた内容となっています。こっちの方が結構笑えたりするんですよ(笑)
老いて尚、若き日の刺々しさを失わないフィル“アニマル”テイラーがかっこ良かったですね。チョイ悪じゃなくて、単なる悪いオヤジのような気もしますが(笑)、チャールズ・ブロンソンがパンクになったみたいなクールさがありました。
TWISTED SISTERのディー・スナイダーがまた出てましたが、「M・H・J」で着ていた衣装と同じような気がしたのは、私の気のせいだったでしょうか?あぁ、それを言ったらディオも同じか。彼らほどの重鎮になると、もうチャラチャラとファッションに移り気なこともなくなるのでしょう!
とまあ、少しばかり「M・H・J」との比較になってしまいましたが、やはりメタル好きなら見ておきたい一本ですね。

@ちぇっそ@