現代紛争史

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世界で巻き起こっている主な紛争を分かりやすく解説した一冊。
アフガン紛争からイラン・イラク戦争フォークランド紛争に中国の「国共合作」に伴う内戦。そして「9・11」にまで通じるイスラム原理主義の実態まで。およそ現代の戦争の一通りが簡潔にまとめられていて、今日に至る世界情勢をざっと見渡すことが出来るでしょう。
ロシア好きな私は当然アフガンについて興味があったわけですが、陸続きのロシアはイスラムや中国と無関係ではなく、これらをまとめて俯瞰することによって、この地域の政治的関わりなども見えてきて、正に一石二鳥。
ニュースでは良く聞くものの、いまいち把握していなかったこれらの紛争。しかし今更人には訊けない(笑)、そんな私みたいな人間には大変長方する一冊。
アフガンから始まり、最後はウサマ・ビン・ラーディンで締めくくる。実はビン・ラーディンは、アメリカCIAの元で軍事訓練を受け、アフガン紛争にも大きく関わっているのです。この構成が見事で、読み終わってまた最初に戻り、アフガンから復習したくなること請け合い。
もっともアフガンは結構入り組んだ問題があるので、もう少し専門的に突っ込んだ文献を読むことが必要ですが、別に軍事評論家になるつもりじゃないので、そこら辺は折を見て検討していくつもり(笑)
それはともかく、こちらの著者の冷静でジャーナリスティックな視点が素晴らしく、尚且つ、過不足なく現代の紛争史を伝えている文章も好感度が高いです。現代世界史入門編として優れた一冊だと思いました。
これからはニュース見るのが楽しくなりますね!とは言え、戦争の歴史を作るために戦争をして良いと言うのは理由にはならないので、皆さん、無益な争いは止めましょう(笑)

@ちぇっそ@