出会い、さまざま

ハローキティ ノミトリ首輪専用カラー2 ダークブルー

ハローキティ ノミトリ首輪専用カラー2 ダークブルー

夜、お店を閉めた後、新宿の街をひた歩いていると、前方から自転車を引いて歩くお婆さんの姿を認める。
ハンドルの手前にカゴが付いている、少し古い型の自転車。
するとそのカゴの上に、何ものかが座しているのを発見する。
闇夜におぼろげに浮かび上がった、その白い影。
良く見れば、それは白の野良猫。すこし茶のブチが入った、雑種と思われる一匹。
「ふわぁ!」
声にこそ出さないが、思わず、心の声で叫んでいた私。
ただの猫に何をそんな驚くことなどあろうか。
ところが実のところ、その猫はカゴの“中にうずくまっていた”のではなく、“カゴの縁にのっかり”、まるで我々をパトロールするかの如く、自転車の舳先へと鎮座していたのであります!
「何故そんな不安定な場所に!」
これは「首輪を付けられ散歩する猫」の、新しいバージョンとなるであろう大発見ではないか!
度肝を抜かれた私をよそに、その猫を連れた老婆は、この大都会の全てをあざ笑うかのように、「キ印」の高笑いを高層ビルの真っ只中に響かせておりました。
「怖いよ〜!おがぁぢゃ〜ん!!」
あれは一体、何者だったのか・・・。
ところ変わって、家へ帰りついたワタクシ。
アパートの階段を登りきったところで、またお隣の外国人と遭遇。
今日初めて言葉を交わしました。
「コンバンワ!ボク ハ・・、新シク引ッ越シテキマシタ、“ミロ”ト イイマス。ドウゾ、ヨロシク!」
随分と年若そうな青年。その初々しい態度をも加味すれば、18,9歳くらいに見えるでありましょうか。
私も「こんばんは」と返し、自分も名乗ろうと思ったところ、
「“ちぇっそ”と呼んで下さい」
思わずそう言いそうになって、
<−おっと、ステージネーム兼ペンネーム兼ハンドルネームってのは有りえねぇよな>
と、口ごもったところ、ミロと言うその青年は恥ずかしそうに部屋へと入ってしまいました。
どこ出身なんでしょうかね。名前からするとアメリカっぽくない。フランスか、「ミロ」ってくらいだからイタリアか?
また昼間にでも会ったら、話してみたいもんです。
深夜放送している「ダイバスター」があまりにいい加減な番組なので、めくら滅法ウケまくっていた私はしかし、先程知り合ったミロ青年のことを想い、壁の薄いアパートの騒音を気にして、こみ上げる大爆笑を押さえ込んでいたのでした。

@ちぇっそ@