慌てる乞食は持ち出す本を間違える

蛇神降臨記 (文春文庫)

蛇神降臨記 (文春文庫)

先日、また一冊読み終わったので、別の本を読もうかと「積読」の山を漁っておりました。
以前読んだ「ポポル・ヴフ」は、そう言えばこれを読むための下地作りだったんだ。と思って手にしたのは、スティーヴ・オルテン作の「邪神創世記」。
当著者の翻訳第一弾「MEG」は、後に文庫版で「メガロドン」と改題されたエンターテインメント長編。太古の巨大サメの生き残りが大暴れする、見もフタもないほどの残虐性を秘めた、痛快な海洋サスペンス作でした。
書評筋では「ジュラシック・シャーク」と称され、正に言いえて妙なる、作品の核心を見事に突いたキャッチフレーズが冠せられていました。
その後発表された本作「邪神シリーズ」は、マヤ文明など太古の謎に迫る、考古学サスペンスといったところ。
とは言え、不思議雑誌「ムー」に代表されるように、ちょっと眉唾ものの胡散臭い学説をこれ見よがしに展開するような、「トンデモ文化読本」の様相を呈しているものですが。でもそういうのって、いかにも楽しそうでしょ?
そう言ったわけで、早速上下2巻に渡る前半部を持ち出したのです。ですが!電車の車中でページを開いたときに気が付いた。
「これの前に、『邪神降臨記』ってのがなかったっけか?」
案の定、Webで検索したら「〜降臨記」の方が先に出版されていました。もちろん、こちらもとっくの昔に買ってはいたのですが、「ポポル・ヴフ」が直接掛かってくるのは「〜創世記」の方であったので、てっきりそれしか頭になかったのです。
解説を読んだら、やっぱり順番を間違っちゃうとダメみたいなので、結局本は読めずじまい。
なんか、生殺しだなぁ。長い電車の中が、とってもつまらない空間になってしまいました。

@ちぇっそ@