小岩「地獄祭り」


今夜は小岩のライヴに行ってきました。SETE STAR SEPT企画「地獄祭り」であります!いや凄まじい狂気の祭典。あまりにエピソードが数多いので、その全てをお伝えできるほど短期記憶が優れていないので、ここは足早にご紹介して行ければと思う所存です。
トップバッターは、ONE MORE TRIO!なんと“トリオ”と名乗っているクセに、ウププ・・・。登場したのは機械好きそうなヲタひとり。マイクをつかんで咆哮!いわゆるノイズアーチストと言うヤツであります。小型アンプを引っ張り出し、スピーカーにマイクを近づけノイズ発生!また別のアンプを持ち出し、同じようにハウリングをいななかせます。そして最後に中型のアンプを持ち出したと思ったら、今度はそれにまたがり床を一蹴!すると下部に付いたキャスターが転がって、フロアを「ススー!」と思ったら、予め積み上げてあった小型アンプの2段トーテムに激突!「ミュージシャンだったら、一度はやってみたい(?)破壊工作だ!」と思ったところで終了。最初は正直、ちょっとイタイのが出てきたと思ったのですが、最後は爽快に決めてくれました。ワタクシ、結構気に入りました(笑)
さあ2番手に早くも登場我らが尊師、病気マンその人であります!本日の出で立ちは、「裸に網ハイレグ」(!)お稲荷は丸出し、一歩間違えば網の隙間から可愛い“菌糸類”(ものが“金”だけにね)が、にょっこり顔を出しそうなセクシーサレンダーなコスチュームでした!
花と夢号にのせて奏でられるアクースティックナンバーは、
「友達が欲しい、ワンモァ〜♪」
みたいな歌詞(かなりうろ覚えなので多分違う)。ちょっと横文字が入って、とってもお洒落なヒットソングになったね、病気マン!
くるりと後ろを振り向いた病気マン。紐で辛うじて、しわくちゃな“ブラックホール”を隠すだけのお尻が露となります。
なんでも吸い込むその“ブラックホール”をちょうど埋めるようにして刺さっていた、一輪の薔薇を抜き取ると「ポイッ!」、颯爽と観衆のただなかへと投げ込みました。
あれはきっと幸せのブーケならぬ、“しわ埋めのブーケ”拾った人は、きっ不治の病に感染するから気をつけて!うわぁ!ババッチィー!
続いてはライヴで外すことの出来ないキラーソング「夢のようなもの」!
「オーッパイ!オーッパイ!」
力いっぱい歌った病気マン。でも、本物のオッパイまでの道のりはまだまだ険しいね。がんばれ、病気マン!
そして遂にラストソング!「ペイン」のイントロが流れ始めると、それまで“ラヴ”で満たされていた空間が(ホントか?)、突如として“ヘイト”一色に染め上げられたのさ!
エムセヴンの低い天井で“火吹き!”
「花と夢号」を床に叩きつけ、十戒のモーゼよろしく、平和ボケした蛆虫どもを分断したよ!(そう言う私も蛆虫の仲間でーす!)
さあ病気マン、今度は小岩名物「H形鋼」の天井“張り”につかまり宙吊りさ!でも病気マンの体重にもびくともしない「H形鋼」は、さすが「引っ張り、曲げ、圧縮のいずれの応力にもよく耐え、極めてバランスの良い鋼材(ウィキペディアより抜粋)」だけのことはあるね!
床に下りた病気マン。ステージを勢いよく飛び出すと、カウンター横のゴミ箱めがけて突進だ!
ガボッ!」
なんと病気マン。ゴミ箱に頭から突っ込み、逆立ちの状態でそのまま「V字開脚」!これぞ題して、「頭隠して“金”隠さず!」可愛いきゃんたま袋が丸見えだよ。はしたないね、病気マン!
でもその芸術的な開脚芸はシンクロの女王、小谷実可子もかくや!と思わせるC難度の大技だったね!(それって鉄棒ですか?)でもホントは遊び人だった(デマ①)病気マン的には、シンクロと言うより“チン黒”って感じだったかも!
さあそして、ゴミ箱から無事“生還”した病気マンが次に取り出しましたるは、なんと“コンドーム”!あ、ごめん。間違えた!
ゴムはゴムでも、“ゴム風船”の方でした!“生還”と“性感”を脳内スーパーコンピュータで変換し損なっちゃった!ヘルスだけに、「生はイヤよ、コレ付けて!じゃあ、お口で付けてあげるわ!」なんてね、ちょっと妄想入っちゃった!メンゴ、メンゴ!
臭い息を吹き込み、風船をどんどん膨らませる病気マン。前歯が歯抜けだから、空気が良く通って風船膨らませるのに最適だね!
「ボクには、恐いものなんて・・・、何もないんだぁ〜〜〜!!!」
パンパンに膨れた風船を、その貧相な頬に持っていった病気マン。すると取り出した針でひと突き。
「パァーン!」
と、北の核実験のような轟音を出して破裂させたよ!(それだと音ちっちゃくね?)
そしてクライマックスは嘔吐!嘔吐に次ぐ、嘔吐!
今日は良く出たね!常連もびっくりするくらい奔放に“えづいた”病気マン。もちろん、その「病気汁」でいっぱいになったバケツを持って、今日も人ごみへ乱入だ!
「ズドドドーッ!」
と、蜘蛛の子を散らすように逃げ惑う観衆。そういえば、今日の網タイツの衣装。どことなく蜘蛛の巣を連想させるね。そこら辺の「韻を踏み方」がうまいね、病気マン。
でも、と言うことは?病気マンの股間にぶら下がる健康器具・・・、じゃなかった!“健康優良児”君は、差し詰め「女郎蜘蛛に捕まったイモムシ君」と言ったところだね!
その蜘蛛の巣から脱出するには、「諸星あたるラムちゃんのブラジャーを外したところ」を想像して“イモムシ君”を元気付けたら、“しゃくとり虫君”が手強い蜘蛛の巣をぶち破ってくれるよ!アニヲタ万歳だね、病気マン!
と言ったところで、この度の病気公演が大団円を迎えたのでありました!
そして3番目に登場したのは、私は初見でした、DOPPER COCKSと言うジャンクバンド!Vo、Gt、B、Drに、廃品利用したパーカッショニストが合流した5人編成。しかもDr以外のメンバーは、総じてラバー&レザーのSMチックな衣装に身を包んでいます。特にベース女史の全身ラバーは、その道のフェチにとってはたまらない萌えとなっていたでしょう。鳴り止まないトライバルリズムが反復し、高揚する精神がやがてトランスの状態へと聴くものを誘います。いやぁ、カッコよかったです。全ての楽器が渾然一体となり、正に音の洪水となって押し寄せる様は圧巻でした。こう言うバンドを見れたとき、普段行かないライヴへ赴いた最大の収穫があると言えますね。
続いては、前回の病気マン公演でも拝見した、魔ゼルな規犬です!今回は神沢敦子と言う、素敵にイカレタ感じのダンサーを伴ってのステージでした。前回も圧倒されましたが、今回もまた凄まじい言葉の連射で、独自の街頭演説をアジテートしてくれました。魔ゼルな規犬の“言葉に反応して”、陶酔しているのか、はたまた“感じて”いるのか・・・。神沢女史の表情が段々と恍惚の色を帯びてきます。魔ゼルな氏も次第に行動が伴ってきて、胸は揉みしだくは股間はさするわ。それで行為は更にエスカレートして行く。これは「言葉攻め」なのか?新感覚の羞恥プレー。なんともエロとプロパガンダに満ちた空間でありました!
5番手は、組織暴力幼稚園!“園長”率いる、エキセントリックハードコアバンドであります!相変わらず“病んだ”感じで(笑)小岩名物「H形鋼」にぶら下がって、“頭から着地”するわ(!)、ゴミ箱はひっくり返すわで、そりゃもう大変な騒ぎになっておりました!途中、マイクスタンドにからまったコードをしゃにむになってほどくと、「どうだ!ライヴ中でも、冷静になればちゃんとできるんだよ!」と、生真面目なんだか“キチガイ”なんだか、よく分からない発言で思わず爆笑しちゃいました(笑)。でもね、彼、良い事言いましたよ。「バンドなんかなぁ、“ヒマつぶし”にやってんだよ!」そうですよねぇ、「俺たちは“芸術”をやってるんだ!」とか、“小さいこと”言ってるヤツの鼻を明かしちゃってくださいな!
6番手は今回の企画主、SETE STAR SEPTです!いつもカッコいい彼らなんですが、今日はまた特に良かったですねぇ!ガンガン頭振ってギターを掻きむしる葛葉たんは、相変わらず「萌え〜」なんですが、BOB氏のキレっぷりもまた素晴らしかった(笑)なんか途中、勢い余ってアンプに激突してませんでした?それで今日気づいたことなんですが、髪の毛の伸びてきたドラム氏が、実はロシアの怪僧ラスプーチンに似ていると言うことです。なんとなく挙動不審な感じも、ラスプーチンのイメージにぴったりです(って失敬!)いやぁ、反則っすよねぇ。反則的にカッコいいっすわ。また遊びに行きますんでヨロピクです!
さあ、残すところあと2バンド!
7番手は中学生棺桶!ドゥーミーな雰囲気もある、おどろおどろしい雰囲気も醸したガレージロックと言ったところでしょうか。見るのは2度目だったか。これまで登場したバンドが、割とスカムで自由な音空間を創り上げていたとしたら、この中学生棺桶と言うバンドはより整合性があり、自分たちの世界観を念頭に、音楽を整然とまとめ上げている感がありました。彼らは、自分たちの事を「所詮パンクですから。上手いバンドじゃないんですよ!」と言うのですが、バンドとしてのまとまりはあるし、テクニックの難易度と言ったことと関係なく、しっかりとしたミュージシャンシップに支えられた職人集団。創造された音楽に隙がないと言った点で、彼らは「様式美」であると言えるでしょう。もちろんバロック様式だというわけではなく、ここに聴こえて来るのは「完璧主義者」の音楽。視聴者のイマジネーションを掻き立てるよりも、暑苦しいまでに彼ら自身を押し付けてくる、主張の強さが見られるわけです。有無を言わす余地がない。この「俺が、俺が!」と言っているような感覚が、各メンバーの華奢なルックスに反して、バンドにマッチョなイメージを与える所以となってはいないでしょうか。これこそメタルファンの方々に聴いてもらいたいバンドだと、私はかように思ったわけであります!
彼らも大変良いことを言ってくれました。「たった30分しか演んねぇんだから、チューニングなんてするなよ!そんなのライヴで分かんねぇから一緒だよ!」これに関しては私も常々思っていたことなので、強く賛同致しました。もっとも私はドラマーであまりギターを弾かない人間なので、そこら辺で少し温度差があるものと思っていましたが、彼のような隠れた名プレイヤーが言うのだから間違いないのでしょう。演奏する側が気持ちよくないからとか、演奏に完璧を求めるが故といった大義名分はあるでしょうが、私はもっと表現者としての「衝動」の方を大事にしたいため、チューニングの違いなど気にしない、あるいは狂っていることすら気づかない。更に言えば、自分の方が狂っているからチューニングの狂いに気づかない!と言った、正に神がかり的な純粋さを求めるからこそに他なりません。この点についてはいろいろと反論の余地はあるでしょうが、別に自己弁護のために「指向性の違い」といい訳するつもりはありません。ただ私が個人的に目指すところは、例えスネアの皮がベロベロだろうが、他人のセッティングのままだろうが、そこに落ちてたスティックがたがいちがいであったとしても、ドラムクリニックの最中なのにタバコを吹かしながらレクチャーをする、孤高の天才ヨギ・ホートンこそ最高にカッコいいドラマーだと思うからなのです。もちろん全てがこのようにエキセントリックである必要もなく、構築された音楽の美しさと言うものも認めるものであります。要はその表現形態が変わろうと、私自身が陥ってしまった“凝り固まった観念”そのものを破壊してくれる何ものかが必要なのです。その中には、「凄まじいほどのテクニック」も「凄まじいほどクソな音楽」も同様に含まれるのです。衝撃の振り幅が大きければ、それは同等の感動を私に与えてくれるでしょう!
と言ったところで、私の音楽観の説明はおしまい!残りひとバンド。久しぶりに本編に戻るとしましょうか!
ラストは遠く大阪かからやってきた屍(?)、ネクロマンティックスの登場です!白塗りやらデスマスク、はたまた包帯を巻いた異様な集団がステージに登場しました。和のテイストを用い古式芸能を思わせる、ある意味優雅でありながら、“あな恐ろしや”を感じさせる古典世界。ベースを駆る女史に至っては、1曲目にして早くも“憑きもの”が降臨したかのように、弦を叩きつけ、床を転げまわって狂い咲く始末!“卓”を操るセーラー服の女人が、密かに自らだけ味わうように、人知れず狂っている光景もまた圧巻でありました。なんとも形容のし難い音楽でありますが、“念”の籠もった狂乱にワタクシも何らかの“うらめしや”を感じ入った次第(腹が減ったので“裏の飯屋”を思い描いたわけでは決してない!)。
と言ったところで今夜のライヴは全て終了!非常に興味深いラインナップによる、密度の濃い一夜と相成りました。病気マン尊師は、これからストリップを手伝いに行かなくてはならないとのこと。それって、また脱いだりするんですか?世間一般への露出が多くなると共に、肌の露出も多くなる我らが尊師を応援しながら、今宵は幕を降ろすことと致しましょう!バイナラ!

@ちぇっそ@