傍観追想

大人カップルはふぐを食う、つか多すぎ

エドワード・ケアリーの「望楼館追想」をモジってみました。って別にどーでもいーですがな。
お店を閉めて、西新宿の小路を歩いていると、40代前半と思しきカップルが歩いておりました。一瞬「ホステスと同伴するオヤジ」と言う図式が成り立ちましたが、女性の方は至って清潔なイメージであったので、それはないなと己の中で前言撤回。
子供に煩わされ、すっかり人生に疲れきったと言う雰囲気もなく、熟女特有の艶気を発散していて、後姿だけ見る分には「これならまだ有りかな?」と思わせるほど、円熟の際にあるのはその女性でありました。男性の方は、白昼に白ジャージ着て平気で街を闊歩するような、チョイ悪オヤジの類いなのでしょう。
入り組んだ小道。「こっちから行った方が、早いんだよ!」と怒鳴る男性に対し、「あら。こっちの方が早いのよ!」と対抗する女性には、若さ故に洗練されぬ刺々しさよりも、大人の女に特有の、抗うことを許さぬ威圧感の方が強かったのです。
<大人の女って、やっぱバケモンなのかなあ>と思った小生でありましたが、それは女性の持つ資質によって判断されるべきであって、今夜はたまたまこのような“女帝系”に出会ったのだと思いたい。
気心知れた仲であるのでしょう。お互い一歩も引かず、結局2人は懐を分かち、別々の道でもって駅へのお遍路を踏み出した次第。
ここいら一帯のエキスパートである小生に言わせれば、今回は女性の方が正解!よほど早く歩くか、小走りでもしない限り、男性が追いつくことはありますまい。もっとも最寄の交差点で、結局は信号待ちの末、つかまってしまうのがオチでありましょうが。
でぇ、結局何が言いたかったのかと申しますと、「大人同士の意地の張り合いって、嫌なもんだなぁ」と思ったわけであります。
男だったら、
「ああ、そっちだったかぁ!ジャスト、ア、ミステイク!アイムソーリー、ヒゲソーリー!」
とか言ってごまかせば良いのだし、女のほうは、
「あら、そっちだったかしら。いいわ、あなたについてくわ!」
と素直に従い。で、更に、
<もし遠回りだったとしても、あなたと一緒の時間が増えるのだから、あたし、シ・ア・ワ・セ!>
ってなオプション込みだったら言うことなし!
とは言え、駆け引きだらけの大人の恋には、このような純愛など有り得んでしょうがね。残念でした!

@ちぇっそ@