ポポル・ブフ

最近の日課と言えば、「なか卯」に寄って“鴨うどん”を食べて帰ってくることでしょうか。鴨美味いっすね!ヘルシーだし、何よりその歯ごたえがたまらず。ダシが染み込んだ肉切れを「くちゃくちゃ」やるのが楽しいのです。
ネギが別盛りで付いてきており、好きなだけつまんでどんぶりにぶち込みます。これで“鴨ネギ”の出来上がりですよ!ネギの食感はシャキシャキして、かみ締めると「ギュッ」とその甘み成分が味にコクを与えるのです。
いいっすねぇ。もう、二晩連続で「なか卯」通いっすよ!と言うわけで、以下はまた書評を一席打ちたいと思います。宿題を溜めてしまう主義ですまん!

マヤ神話―ポポル・ヴフ (中公文庫BIBLIO)

マヤ神話―ポポル・ヴフ (中公文庫BIBLIO)

マヤ文化を今に引き継ぐ中南米の国グァテマラ。そこでかつて生を営んでいた古代人たちによって編纂された天地創造の物語。グァテマラの古代史であり、太古の王国キチェーと、その周辺諸国で信仰されてきた聖典こそが「ポポル・ブフ」なのです。
古代の王たちは「神」として描かれ、国の分裂・闘争などの歴史が、神話の形を取って稀有壮大な物語へと発展して行きます。
そのように歴史的に大変重要な書物であるわけですが、何はともあれ、その荒唐無稽とも思える奇想天外なお伽噺こそが、一風変わった幻想文学としての楽しみを私に享受させてくれるものでした。
時空を軽く飛び越え、一見して支離滅裂とも思える、ある意味“なんでもあり”な不条理に満ちた物語。最初の人間は木から作られ、山を動かす怪力男が登場すれば、何度も死んで何度も生き返る聖人が、悪い神たちをやっつけると言った案配。
元来、その歴史が口承で伝えられてきたことや、後世、スペインの侵攻後にまとめらたものだけあって、その記述に“抜け”や“書き換え”が生じ、本来の完全な形ではないと言います。
とは言え、そのめくるめくイマジネーションの洪水は、全てが計算づくで企てられる現代人の価値観を、ことごとく打ち崩してくれるものです。その辺りの“なす崩し”的な感覚こそが、私にたまらない快感を与えてくれたのでした!
チュッツオーラの「やし酒のみ」は、正にこの流れっすね。故フローリアン・フリッケ筆頭のジャーマンサイケ、ポポル・ヴーによる「原始帰母」アルバム辺りを聞きながら読めば、更にトリップ感が増すこと請け合いでしょうか!?
(※画像は再版本ですかね。私が持ってるのは1977年出版のものです)

@ちぇっそ@