いい女はみんな醜男連れ

やっぱチューはこんな夜道で

まあ、色んな日があるもんです。私の今日一日は、「醜男に捕らえられたいい女」に出くわす日でした。
店を閉めて都営線に乗り込むと、早速まず第一の「美女と珍獣」に出会いました。
女の方は(と呼びたくなる“肝っ玉系”)、シートに座って彼氏を見上げる目が挑戦的なまなざし。しかしどこか人懐っこさも感じさせる、少しやさぐれたスナックの美人ママ風の男好きするタイプ。
一方、男の方はナイロンのジャケットにウェスタンブーツを合わせ、チョイ悪オヤジ風を気取ってはいるが、顔と言うか、骨太な頭蓋骨の“鉢”のデカさが、えもいわれぬアンバランスを醸し出すチンチクリフ系(ちんちくりんなヤツの意。女の場合は「チンチクリーヴァ(チンチクリン+ディーヴァ)系」@「ちぇっそ用語のもっさり基礎辞典」より)でありました。
その女が何か言うと、男の方はいかにも頭の悪そうなチーマー風なしゃべりでとって返す。「お前は俺の言うことだけ聞いてりゃいいんだ!」ってな関白ぶりなのですが、傍から見ると明らかに“お前の方が尻に敷かれてるだろ!”と言った雰囲気が漂っておりました。
きっと他人の前だからそのように強がって見せてはいるけど、一旦部屋に帰って2人きりにになった途端、「ねぇねぇ。ボクちんの耳、ホジホジしてぇ〜!」と、猫なで声で膝枕に顔をうずめる輩であることは瞭然でありました。
次に、辿り着いた本八幡にて前方を行くカップル発見。タイトな黒のフリフリミニスカートに、白のニーハイブーツを合わせた“本当にアイドルみたい”なめちゃんこかわいい女の子の後ろに、これまたチョイ悪風でダメそうなチンチクリフがピタリと付けておりました。
(私を含め)後続にいる有象無象の野獣どもから女の子の“森の繁み”を守ろうと、ゼロックスが吐き出すA4用紙すら挟まらないほど密着させた下半身。しかしそんな大義名分の下、男のズボンの下では恥も外聞もなく怒張した太魔羅がいきり立ち、娘の芳醇な太ももに、密林に棲む虎の爪のごとくその刃を突き立てていたことでありましょう!
「お前ら。今夜“ヤル”な!絶対“ヤル”だろ!って言うか男!お前、そんなに今夜ヤりたいのかっ!ガッついてるなぁ!!!」
見ていてイライラすると言うか、その衝撃的にカワイイ女の子が、何ゆえこのような男と一緒にいるのかが信じられない、それはできない、「それはで〜き〜ない〜♪相談ね〜♪」なのでありました!(それはできない、もしくは無駄な悪あがきとは、私とこの子が一緒になれるかどうかの恋愛相談のことである)
それからQUEEN’S ISETANで買い物を済ませた私は(実はこの間もこのカップルが近くにおり私は娘に釘付け。男はまちがいなく彼女にメロメロだったであるます)、駅前のショッピングモールから脱出。
ロータリーへの短い階段を上るところで、ローライズのカーゴパンツを上へ引き上げながら上る女性を発見。下北辺りを徘徊してそうなファニー系でありながら、“はみパン”までしているセクシーな“エロカワ”ぶりに目を奪われました。
ちょっと後ろを気にしている素振りがまた男心をそそります。すると連れの男が現れ、いかにも品のない言葉使いで女の子に話しかけたのです。
「ここでもかぁ!」
お前、絶対「工業高校卒」だろ!それも木更津以東の!そんなヤンキー言葉、都会じゃ滅多に聴かねぇぞ!とか思ったのですが、眼(ガン)付けられたら嫌なので、私はそそくさとブックオフへと避難させて頂きました。
そして最後は、アパートまでの道をひた歩いていた時でした。
当世流行のショートパンツに包んだお尻を、「プリップリ!」とさせたキュートな女の子発見!連れていたのは、おや、こちらはバランスがよろしいようで・・・。彼氏も実に好青年風。とってもお似合いのお2人で・・・。
そっかぁ。こう言うカップルには嫉妬しませんねぇ。やっぱ、バランスを重んじる私特有の価値観を反映させるんですかね。
結局は美女と野獣カップルでも、その2人がお互い馴染んでいる感じがあれば、傍から見て違和感を感じることはないのでしょう。見ていて妙に居心地の悪いカップルってのは、ファッションや会話が、どこかチグハグなところがありますもんねぇ。

@ちぇっそ@