本八幡の三段活用

本八幡の空

昨夜は小岩デスフェストへ出かけ、例によって例のごとく朝まで打上げに参加。その後、横須賀にライヴを見に来たついでに小岩まで立ち寄ったという、GATE氏の車で家まで送ってもらい、5時間弱の睡眠を経て店へ出勤。眠いながらも、まあなんとか持ちこたえられる範囲で閉店まで漕ぎ着けたという次第です。
そして都営新宿線へ乗り込み、「ふっ」と一息ついた瞬間に意識がシャットダウン。気がつけば東大島まで進んでおりました。やっぱ相当に疲れていたみたいですね。
さて本八幡へ辿り着き、いつのまにやら膀胱を満たしていた尿意。その苦痛より開放されるため、エスカレーターを駆け足で上った私は、駅構内のトイレへ向かいました。するとそこで目に飛び込んできた光景!
なんと個室から、ブルーのトランクスがはみ出しているではありませんか。しかし良く見れば、なにやらそこには柄物のプリントとは違った、茶色い染みのようなものが見受けられます。
「ああ、これはもしや」
恐らくは、押しては寄せる腹痛に、正に括約筋の“活躍”むなしく、“間に合わなかった方”が残していった置き土産のよう。その壮絶なる葛藤を想像するに、つわものどもが残した夢の残骸と思し召す、蒼いトランクスのしわのひとつひとつが、いと惜しく思われた春のおぼろでございます。
私は小用を足し、トイレの外へと出ました。すると今度、新たに私の眼前に出現した光景とは。それは若いベタベタカップルのいちゃつきであります!
いい年した青年が、両手を振り振り「いやんいやん!」と彼女に甘える様は、見ていてあまり感心できるものではありません。男児たるもの堂々たれ!昭和育ちの私の観点から言えば、到底認めることなどできぬ堕落に相違ありません。
って言うか、トイレの中で体験した出来事と比較して、一体なんちゅう落差であるか!あまりに愕然としたことをここに記す次第にございます。
さて、地下通路を行き、エスカレーターで地上へと日の目を見たワタクシ。(とは言え、日は日でも月の光でありますが!)スーパーで夕飯を買い込み、再び家路へと歩き出した私の前に、またもや潜んでいた悪夢的展開!
その彼女は、京成駅前でうずくまっておりました。はて、具合でも悪いのだろうか。そう思った私は、ここはひとつ声でも掛け、しかるべきところへ助けを呼んだ方が良いのではないかと思いました。しかしもう少し様子を見ようと、歩幅を狭めゆっくりと歩き始めたその時でした。
「酷いよぅ!!!」
耳をつんざくばかり、その彼女は悲鳴にも似た絶叫を上げたのであります。これはどうしたことか!推測するに、どうやら恋仲との不和が原因か。浮気現場に出くわしたか、それとも一方的に別れを切り出されたのか。
果たして、それ自体はこの私めの知るところではございませんが、このような男女の修羅場は逃げるが勝ち!恐ろしくなった私は、即刻その現場より立ち去ったのであります。
いやはや、全くもってこうも立て続けに、こうもテンポ良く日常の些事が一同に会す機会などありましょうか。これぞ本八幡の三段活用。いえ、“散々な日常”のエトセトラでありました。
それもこれも、全て他人事で良かった!

@ちぇっそ@