THUNDERプレジャー・ハンティング・バス・ツアー

添乗員さん、ハゲてちゃ困ります!

今日は英国が誇る史上最強の下町バンド、THUNDERと共にするバスツアーの当日です!遂にこの日がやって参りました。様々な仕込みを入れ、ついでに体力負けしないように滋養強壮剤も入れて(!)、集合場所である東京駅から徒歩8分に位置する、「鍛冶橋駐車場」へ向けて出発しました。
天気はあいにくの曇り空。おまけにここ2,3日続いた温暖な気候も様変わりし、一挙に冬へと逆戻りした肌寒い日となってしまいました。しかしそんな低気圧とは反比例するかのように、私の心は「ホットホット!(古い?)」高鳴る鼓動と抑えきれぬ期待感を胸に、総武線の車内で英会話ブックを開く、サンダーマニヤックスの一人です!(しかし今頃になって英語なんて覚えられるか!)
東京駅へ到着。はやる気持ちを落ち着けるため、自販機でジュースを一本。甘酸っぱいゆずの香りが、リラクゼーション効果をもたらすひと口でありました。
午前10時40分。集合予定時間より5分ほど早く鍛冶橋駐車場へ着いた私。既に集まっていた参加者が、添乗員の指示に従い2台のバスへと分乗している最中でした。私の座席は33番。THUNDERのメンバーは前方の席へと着席が予定されていたので、残念ながら憧れのヒーローたちとは遠く離れて座ることになりそう。
出発時間になりましたが、肝心のメンバーの姿はまだ見えません。すると添乗員の方の説明で、この後、最初の観光地である「浅草(!)」にて、メンバーと合流することになると言うことでした。
やっぱり浅草か!初詣も来たし、こないだREEXでライヴやったときにもお参りしたぞ!最近良く訪れる場所だけに、あんまりありがたみがないなぁ(笑)などと言う独り言は、この際端っこによけておくことにします。
しかし、と言うことはつまり、浅草寺の境内でメンバーが“我々を待っている”と言うことなわけで、こんな「玄人の“おのぼりさん”」たちを、仮にもメジャーなアーチストが“出迎える”ってことになるんですか!?何だか凄いですね。凄い光景が予想されるわけです!(笑)
もちろん私に友達などいるはずもなく(それじゃただの引きこもりだ)、ロンリー部隊で参加したワタクシ。しかしツインシートに同席したお隣さんも、私と同じロンリー部隊だったことで意気投合。とりあえずの同盟を組んで、バスツアーの寂しさを紛らわす、道中の連れの確保に成功です!(真性の引きこもりにはできない芸当だね)
そしてグダグダなガイドさんの、原稿棒読み名所紹介などを聞き流しながら(笑;でもロリ顔でキュートでした!)、いよいよメンバーの待つ浅草寺へとやって来ました。バスから降り、停留所から歩いて向かっていると、途中で何故か「雷おこし」を配っているおっさんに、無理やり試供品を握らされました(笑)ま、小腹が空いたときのおやつってことで。
誘導旗って言うんですかね。ガイドさんに連れられ、ゾロゾロと付いて行くしかない我々の姿は、本当に単なる“バスツアー御一行様”でした。いやぁ、以前なら「あんな集団の中には絶対入りたくねぇ!」と思っていた私ですが、こうなりゃもうヤケクソ。無理やり楽しくなろうと、積極的にモチベーションを上げて行きます。なんだか変な気分になってきました。
そしていよいよ浅草寺内部へ。ゾロゾロと連なる集団が、ちょうど五重塔の入り口まできたとき、当のTHUNDERの面々が、我々を待ち受けているではありませんか!本当にいたよ(笑)とか思いながら、メンバーたちの下へ駆け寄る参加者たち。はやる気持ちを抑えきれず、早速カメラを取り出し、いきなりのプチ撮影会と化します。私も例に洩れず、買ったばかりのデジカメを手にし、後は四の五の言わずに「パシャリ!」とやります。
そうです。もう皆さん気がつきましたね。私がデジカメを買ったのは、今日のこの日のためなのです!もしかしたら撮影不可か!?との危惧はありましたが、“万が一”に備えて、思い切って800万画素と言う狂った機種に着手したと言うわけ。
撮影されているメンバーは嫌な顔ひとつせず、笑顔を振りまき撮られるがまま。もちろん事前に「撮影OK!」との了承を得ていたからですが、それにしても実にあけすけな振る舞い。しかし私を含め英語の得意でない人も多い中、写真を撮ることで、ひとつのコミュニケーションが取れることも事実。一石二鳥の嬉しい配慮!
さあそして、せっかくこうしてメンバーと直に接することが出来たのでありますから、これから何かイベントでもあるのかと思いきや、なんと添乗員さんの説明によると、これより昼の“フリータイム”へ突入するので、各々で食事を取ってくれとのこと。メンバー共々、いきなり“ほったらかされた”一行は、とりあえず仲見世通りへと歩を進めます。
「俺たちは一体どこへ向かってるんだ?」
と訊いてきたのは、ベン・マシューズだったかルーク・モーリィだったか。いやぁ、そんなの俺たちにもわかんねぇよ!(笑)とか思いながら、とりあえずぶらぶらと徘徊することになりました。
この間、もちろんメンバーとは写真の撮り放題。私も、各人一枚づつでしたが、憧れのスター全員とツーショット写真を撮る事ができました!いやぁ、すげぇわ!凄すぎっス!
同じドラム仲間の、ハリー・ジェイムズ氏ともちょっとだけ会話。
「ボクもドラム演ってるんです!」
と言ってみたワタクシ。するとハリー氏は、
「そうか!パールのドラムは最高に気に入ってるぜ!」
と返して来たのでした。まさか機材の話を振られるとは思いもよらず、想定外の言葉に思わず返答に詰まりながら、「そうですね!ボクもパール好きです!」と応えるのがやっとでした。でも実際パールが好きでよかった。タマのドラムは個人的にあまり好きではないので。
さて、このエゲレス人5人と約70人の集団が、仲見世通りいっぱいを占領しながら闊歩して行きます。ここにいるのは、正に“野放し”となったガイジンと、平日の昼間に仕事を休んできた社会人ばかり。これはもはや治外法権!なんつったらいいんでしょうか。本当にね、凄まじい光景としかいいようがありません。
そして仲見世通りの行き止まり(ってか入り口って言うか)まで辿り着きました。「そういえばここは“雷門”。つまり、サンダーだけに“カミナリ”ってか!」と、あまりにベタなブッキングに思わずずっこけてしまう瞬間も。
名目上は「メンバーお勧めスポット」と言うことで、しかしそのエキスパートのはずのメンバーが、何故かレコード会社の方からご当地の説明を受けていた!?と言うのは、良くある業界のお話ではあります。
いやぁしかし、さすがモンティパイソンのお国柄だけのことはあります。メンバーの行動を見ているだけでかなりおもしろいです。特にドラムのハリー氏には飽きることがありません。
彼のチャームポイントのひとつは、その“ハゲ頭”。仲見世には数々の“カツラ屋さん“が軒を連ねています。しかも”おもしろカツラ“がね!店先のカツラを見つけると、ファンの皆がハリーに教えてあげます。
「ハリー!あそこにカツラがあるよ!」
するとステップも軽快に喜び勇んで掛けて行くハリー。しかし!
「かぶっちゃ、ダメ!!!」
と、いきなり店のおばちゃんにたしなめられました。それでも懲りない彼は、次のお店でもカツラを前に、百万ポンドの笑顔で「ボクの宝ものを見つけた!」風な表情をして見せるのです。この生粋のコメディアン振りがたまらなくおかしかったですねぇ。
「ジャパニーズ・クッキーだよ!」と言って、せんべいを食べさせるファンや、線香を上げるハリー(笑)「髪の毛が生えますように!」と願を掛け、ご利益のある線香の煙を頭にかぶる彼でした(爆!)
私は、さすがにおなかが空いてしまったので、途中で抜け出し、回転寿司で昼食をとりました。なんか意外と高かったらしく、たったの6皿くらいで1,400円くらいしました。「一皿126円〜」って書いてあったけど、思わぬ伏兵が潜んでいるから“回転”って恐っすね!
さてとお次ぎは、下町浅草を離れ、第二の観光スポットへと移動するとのこと。THUNDERのメンバーは一足お先に移動して行きます。どこへ向かったんだろ?
参加者は一旦、浅草寺境内へと集合。私は、バスで隣席だった男性としばし談笑していたところ、同じバスに乗っていた男性から、「もしかして、一緒に参加されたんですか?」と声を掛けられました。
「いえ、たまたま席が隣だったんです」と応えると、「なんだ、ボクらもそうなんですよ!」と後からゾロゾロと、男ばかり5,6人が集まってきました。「いやぁ、せっかくだから楽しくやらなくちゃね!」聞くところによると、千住に住んでいると言う彼。いかにも下町風な気さくなノリで、“ロンリー部隊”の中心となって交友の和を広げてくれました。
そしてそれから程なくして我々も移動を開始。最初にバスを降りた地点に戻ると、先ほどと同じようにバスが停車しています。するとバスの中では、既にメンバーが座席に陣取り、お待ちかね状態!
こうなることは分かっちゃいたけど、本当にメンバーと一緒にバス旅行するなんて、にわかには信じられない。バスに乗ったまま我々を迎え入れるメンバー。ある意味ショッキングな光景かも知れませんね!(笑)
私は2号車なので、ステップに足を掛けて見上げると、そこにはダニー、ベンそしてクリスの3人がいます。これはどうも、おかしなことになってるぞ!と(笑)
そしてバスは出発。向かう地では、皆でグループショットで写真撮影が待ち構えているとのこと。って言いますか、さっきの浅草寺でも充分に写真は撮ってたりするんですがね(笑)まあ、撮られて減るもんじゃなしってことで。
移動のバス中。“あのTHUNDER”と同乗し、都内観光としゃれ込むなんて、こんな感激がありましょうか。ありえない感動に、しばし想いを馳せるひとときでした。
さて、一行が連れてこられた先は、なんと皇居。ここの二重橋で記念撮影しようという魂胆のようです。寒風吹きすさぶ中、メンバーとのコミュニケートを楽しみながら、内堀散策と参ります。
ここでもハリーが大活躍。途中信号待ちをしている最中、添乗員さんの誘導旗を奪い取って、「みんな、ここだよ!」とばかりに頭上に旗を掲げ、自ら集団を先導する彼でありました。その姿はまるで、“悪いカーネルサンダースおじさん”のようでもあります(笑)
そして予めグループごとに振り分けられた参加者(添乗員に手渡されたパスツアーのパスに整理番号が書かれているのだ)は、ちょうど二重橋前の撮影ポイントにて、順に入れ替わりながらメンバーと一緒に記念撮影をして行きます。
ところがここでおもしろいのは、そこには最初から、一般観光客用に撮影用のベンチが設置されているのですが、我々はあえてそこを避けて(笑)、すぐとなりの、ただの砂利の地点で写真を撮っていたことでしょうかね。もっともそのベンチは、日頃観光客相手にプロのカメラマンが使用している地点。仕事の邪魔をしてはいかんわけです。ちなみに、我々を撮影してくれたのは、担当レコード会社ビクターのA&Rの方でした。
さて記念撮影が終了したらまたしても移動。今度は横浜へ向かい、サンセットクルーズと洒落込もうと言うわけです!っとその前に、少々長距離の移動となりますので、ここらでひとつトイレタイム。
皆でトイレに向かうと、そこにはなんとTHUNDERのメンバーも全員揃っているではありませんか。私はすかさず、一番端っこで小用を足していたハリー氏の隣に陣取り、これは二度とないだろうと言う、THUNDERと一緒の“連れション”を記念にすることが出来ました!
これこそ写真に撮りたかったのですが、さすがにここまでプライベートなのはマズイだろうと言うことで(笑)、その場に居合わせた参加者(男子限定)は、しぶしぶカメラを懐へとしまいました(節度のある行動を!ってことで:笑)
そしてバスへと乗り込み、横浜への移動開始。私の乗る2号車に、今度はルークとハリーの2人が同乗。途中、ルークがあるものを発見します。なんと彼が注目した先には、普通の乗用車を運転しながら、アコースティックギターを弾いている男性がいたのです!このもの珍しい光景に、すかさずカメラを取り出し撮影を始めるスタッフ。
私でさえ、このようなありえないくらいの“ギター大好き人間(もしくは楽器ヲタ?)”の出現に大変驚かされました。どうやら作曲か何かしながら運転していたようですが、それこそ携帯電話でメールしながら運転するのより、よほどこちらを取り締まった方が良いのではないかと思ったくらいです。もっとも「危ない!」と言うより、ほとんど名人芸の域に近いものがありましたがね(笑)
ベイブリッジの辺りで、私の乗る2号車が前方を走る1号車に追いつきました。そしてそのまま2車線を並走。1号車のダニーが、こちらへ向かっておどけて見せます。抜きつぬかれつする微妙な競い合いがあり、その度に車内を前後移動して、こちらにいるカメラクルーに向かってポーズを決めるダニーでした。
しかしそんな楽しい時間も、「はい。では道路が込んできたようですので、この辺りでバスの並走を止めにしますね」と言う添乗員さんの一言で終了。乗員、皆大爆笑でありました!
横浜へ到着。バスを降りるとまたしてもフリータイム。思いがけず山下公園でリリースされてしまった我々。THUNDERの面々は2手に分かれ、ダニーのいるチームは近くにあるマクドナルドへと突入して行きます。一方のルークがいる方は、早々と船乗り場へ向かいました。
私もちょっと遅れて船乗り場へ向かうと、そこでは撮影クルーが腹ばいになって何かを撮っていました。「腹が冷たい!」とか言いながら立ち上がった彼ですが、一体何を撮影していたのか?未だに謎ではあります(笑)
「歓迎サンダー プレジャー・ハンティング バスツアー様」と言う看板が新鮮な光景(笑)いよいよ乗船し、アコースティックライヴの演奏を含む、素敵なサンセットクルーズがスタートします!
海風吹き付ける船着場とは打って変わり、船内はとても暖か。全く、生きた心地がするとはこのこと。豪華客船の絨毯のクッションも軽やかに、ホールに並べられたテーブル席へと着席してゆく参加者。ホール前方には、アコースティックライヴを行うためのステージが設置されています。
「座席番号はパスの裏に書いてありますので」の言葉に、早速パスをひっくり返してみると、そこにはバスの座席とはまた別の整理番号が書かれていました。
「えーっと、Aのォ〜、1?」
もしかしてこれって、凄く良い席なんじゃないか?などと思いながら、テーブルに乗っかった番号を確認してゆくと、なんと私の席はステージ真正面の最前列!本当に特等席とでもいったくらいに、絶好の鑑賞ポイントであったのです。
しばらくして、いよいよメンバーの登場。ホール後方からぞろぞろと現れたメンバー。もちろん、歓待の拍手で出迎える我々であります。ステージのスツールにTHUNDERが着席すると、リードギタリストのルーク・モーリーが私の真正面に。なんとも贅沢なしつらえではありませんか!
最初、司会の方などが登場し、参加者から事前に募っていた質疑応答などが始まります。まあ、いかにもプロモーション用に引っこ抜いたとでも言った、ファンである我々でも耳にタコができるくらい聞いたお決まりの質問などはご愛嬌。
とある質問は「イエス、ノー」で答えてください、と言うもの。確かに「イエス、ノー」で答えるメンバー。ところが全く違う次の質問でも、またしても「イエス、ノー」で答え始めるメンバーに、やはり“喰えない英国人種ここにあり!”を強烈に感じた瞬間でした(笑)
そう言えば、「現在結婚を控えており、挙式で相応しいTHUNDERの曲はなんですか?」と言う質問があったのですが、これにはメンバー全員思わず苦笑。「ウーップス!」と言いながらも、なんとか答えたルーク氏は、「Love Worth dying Forがいいかな?」といささか苦し紛れ。その他のメンバーも、彼の意見に同意していた様子でしたが、「他の曲はどうですか」と訊かれた際、ヴォーカルのダニーは「ない!」と力強く返答していました(笑)まあ、失恋の歌の方が多いですからね。
そしてプレゼントコーナー。THUNDERのメンバーがくじを引くと、そこには座席番号が書かれています。当選した方には、各種THUNDERグッズの詰め合わせが手渡されました。なんと同じテーブルに同席していたお姉さまが当選。「見せて見せて!」と、思わず年甲斐もなく身を乗り出してしまったワタクシでした!
そんな余興も終了し、いよいよ船上アコースティックセットの始まりです!おもむろに楽器を手にしたメンバー。ベン・マシューズが弾き出したリフは、THUNDERファンならお馴染みの「Higher ground」。ルークも力強いピッキングで、この稀代の名曲を爪弾いています。
ダニーのソウルフルなヴォーカル。まさかこんな間近で、天下一品のライヴバンドの演奏が眺められるとは!プレーしているメンバーは、バスツアーで共にした普段の姿とは、また違ったオーラを発散しています。本当に魔法のような瞬間!
この後3曲を演奏。先ずは「Backstreet symphony」と「Stand up」。アコースティック用にアレンジされた楽曲は、聴きなれたバージョンとは当然異なっており、とても新鮮味があるもの。しかしどれも完璧に編曲し直しているので、オリジナルと聴き劣りするということがありません。ここら辺がさすがに上手いですねぇ。
最後は最新作から、「I love you more than rock’n’roll」を演奏して終了。途中、ルークのギターの弦が切れるアクシデント。しかしバンドは演奏を止めず、「どうしようか。困ったなあ」とかやりながら、代えのギターがないルークは、ギターが無い分コーラスに集中し、とびきりの歌声を聴かせて、その場を盛り上げてくれました。
これですよ、THUNDERの強みと言うのは!正にこの点に尽きると私は思うのです。とにかく場数を踏み経験豊富な彼らは、ステージ上で起こるいかなるアクシデントにも動じません。ハプニングを逆手に取り、それを一気に形勢逆転の奇跡へと転じる場面を、私はこの目で何度も目撃してきました。
実際このときも、メンバーは終始笑顔でした。「こんな大事な場面でやっちまったよ、コイツ!」と言った体で、単にバンドエピソードとして、酒飲み話のネタのひとつに仕立て上げてしまう雰囲気があります。
エンターテインメントに徹しているのは確かでしょうが、バンドそのものがライヴを楽しんでいる証拠ではないでしょうかね。とにかく本当の意味で“大人なバンド”だと言えます。何が起きても場が殺伐とすることがないのです。もっともそれらは、自分たちの実力に自信があってこその裏づけから来るものだと思いますが、このような場面に遭遇するたびに、つくづくTHUNDERと言うバンドの懐の深さを感じずにはいられません。
そんなわけで、大盛況のうちにライヴ終了。THUNDERの面々は楽屋に引っ込み、後は船が岸へ着くまでの約1時間程度、参加者同士で適当に夕陽を眺めながらのクルージングを楽しめ!と言う嗜好のよう。
私はせっかくなので、少し甲板へ出て夜風を楽しんでこようと思いました。外は潮風に吹きっさらされて当然の如く寒いのですが、このようなクルージングに滅多に遭遇することがないであろうとの想いから、一応一通りのオプションは楽しんでおこうということであります。
しばらくして、ひとりの撮影クルーがカメラを持って出てきました。そんな彼はなんと半袖!船から眺める夜景にレンズを向ける彼。「いや、寒いだろう。アンタ!」と声を掛けてみると、「触ってみろ!」と差し出された二の腕は、まるで寒乾しした大根のように冷たかったです。毛穴のザラザラがまた大根を連想させたのですね(笑)
船内へ戻ってみると、ホールとは離れになっているラウンジで、ドラムのハリー氏がファンと談笑している最中でした。そういえば、メンバーにプレゼントするため、REEXのCDをメンバー分(5枚)持ってきていたワタクシ。観光中はどうにもタイミングがつかめず、ついぞ渡しそびれていたのです。とりあえずのイベント事もひと段落し、落ち着いたひとときの間に、なんとかCDを渡せないものか。
しかし他のメンバーは楽屋に引っ込んだままだし。とりあえずのところ、ハリーに1枚提供しておくか。などと思い、バッグから取り出したREEXアルバム。
デスメタルは聴かないかもしれないけど」
とか言いながら、恐る恐る差し出す私。すると、
「なんだって?俺にプレゼントか!そいつはイイね!」
早速、受け取ったCDのトレーを「カパッ」と広げるハリー氏。
「ムフフフフ!」
どうやらインナースリーブに映る、“アフォウ”なメンバー写真を見てご満悦の様子。
「OK!絶対に聴くよ!」
随分と喜んでくれた彼でしたが、
「これって、俺の分だけか?」
と訊いて来たので、
「いやいや!メンバー全員分あるよ!」
と慌ててエクスキューズを入れるワタクシ。持ってきた分を取り出すと、それを全てぶん取り(笑)
「それじゃあ、代わりに皆に配っておくよ!」
と、のたまうではありませんか。突然の急展開に慌てた私は、
「そ、それじゃあ。お願いします!」
ってな感じで、こんなちゃっかり者のハリー氏に全て託してしまいました(笑)いやぁ、なんか違うんだけどなぁ。でもまあ、いっか(爆!)結構グダグダな感じでしたが、なんとかメンバーにCDは渡せた・・・、のかな?
これで遂にREEXもイギリスデヴューですよ!でもまあホント、単に思い出の品としてメンバーに取っておいて欲しかっただけですから、別に聴いてもらわなくもても良いです(笑)それにしても、THUNDERとデスメタルって、実に奇妙な組み合わせになりましたね!
そうこうする内に、船は岸へ到着。とっても楽しい一日は、あっと言う間に過ぎ去ってしまいました。船の出口では、メンバー全員が参加者をお見送り。ひとりひとりに感謝の意を述べ、名残惜しくもしばしのお別れとなってしまいました。
「また明日、ライヴで会おう!」と約束しながら、今日のところはお開きです。
再びバスに乗り込み、桜木町周辺で下ろされた参加者はここで解散。各々、帰路に着きます。って、そうは問屋が卸さない!このバスツアーで、すっかり仲良しになってしまった私たち8人。そうです。ロンリー部隊で参加した、“男ばかりのTHUNDER祭り”集団は、この日の交流をさらに深めようと、皆で横浜ハードロックカフェへと雪崩れ込みます。
豪快に杯を酌み交わし、今日の日の思い出、そして熱きメタルへの想いを語らうひとときでした。たまたま偶然にこの場に居合わせた8人。職業もサウンドエンジニアやSE。そして某運送会社勤務からなんと数学教師!そして、デスメタル人生まっしぐらな自由人へと転身するため、来月辺りに転職を計ろうとしている某ドラマーなど(誰だコイツは?さあ一体誰のことでしょうねぇ!)出身地も職種も様々。
そんな雑多な人種が、「THUNDER」と言うキーワードひとつで集った偶然。これもまた人生!なにかこう、その場限りにしてしまうのがもったいなくて、8人全員でメアドを交換して、新たな「なんちゃら繋がり」とやらを構築した一夜でした!
いやぁ楽しかった。彼らがいたからこそ、また一段と今日が楽しく過ごせました!もっとも彼らは、先ず持ってデスメタルを聴かないそうなので、今後どれだけ親密な交流が持てるか分かりませんが、別に音楽以外で飲みに行ってもいいわけですから、こういった貴重なコミュニティも大事にして行きたいと思う次第です。
でもなんか、久々にデスメタル色のないメタル好きと話が出来てとても新鮮でした!(笑)いやこれホントですよ。デスメタルどっぷりの人間からは想像できない価値観がありましたね。って言うか、私の境遇がいかに世間一般から常軌を逸しているかが認識できた感じ。おっかねぇー!
写真を一応乗っけておきますが、肖像権とかどーなのかな?って感じなので、ちょっとびびりながら・・・と言いつつ大胆に。

@ちぇっそ@