病魔、降臨

詩集「病気マニフェスト」

さあそして、本日の主催である組織暴力幼稚園の登場と相成ります!噂に聞きし“キ印”集団。彼らを統括する園長とは、実のところ“閻長”と書くのではないですか!?
「おかっぱ白塗りベンベロベ〜!」とにかく気色悪いことに至っては人後に落ちない、三途の入り口でうろついている、タチの悪いチンピラのようであります。客もどん引き、全てどん引き。引きこもり特有の、“負のパワー”を遺憾なく発散させておりました。
私の予想に反して、楽曲は意外とハードコアっぽかったのですが、それもさにあらん!あぶらだこなどのコピーに勤しんだという、新加入のドラム氏が、実にクラスティなハードコアビートを叩き出していたからに他なりません。スプレーで髪をおっ立て、80’Sジャパコアの精神を伝える、ノスタルジアの残り香に懐かしさを覚え・・・。
相当にいじけたMC。反感こそ買えど、まるで共感も盛り上がりもしないと言う、狙い通りのややウケ振り。この寒々しい感じがなんとも言えず、早く家に帰ってもつ鍋でもつつきたくなるような気分!
夜勤明けにも関わらず(この日は違ったのかな?)、ところ狭しと暴れまわる園長。しかし、その体格は某肉奴隷並みなので、別に体当たりされてもこれなら“勝てる”と言ったところ。
マイクを持つのもめんどくさいのでしょうか。口にくわえたまま、一体何語か分からぬ“宇宙語彙”を話し始め、この辺りはなかなかイカした言語パフォーマンスだと思いました。その昔、国営放送でやっていた「詩人選手権」に出られるかも!?
そしてラスト、客席に飛び込んだ園長は「伝説のポリバケツかぶり」を披露!その様子は、“エサ欲しさにペットフードのビニール袋に顔を突っ込み、勢い抜けなくなってしまったノルウェイジャンフォレストキャット!(適当にブラックメタルぽいのをセレクトしただけで、猫なんてみんな同じだ!)”と言った趣きがあり、初めて目にした私も感慨ひとしおでありました!
さあそして遂に登場するのは、我らが崇拝する生ける御神体、病気マンその人が今夜のトリを勤めます!今宵はシンプルに、特にペイントなども施していない尊師。そのありがたい体には、ピンクのジョーゼット素材などを巻きつけております。
爪弾かれる「花と夢号」。もちろん、今日も電源は入っていません!
「シュルシュ〜♪マッセマセ〜♪ケセラ〜♪セ〜ラセラ〜♪」
淡屋のり子ばりの軽快なシャンソン(?)から、病気マンのライヴがスタートします!お客さんの入り(居残り具合)も最高。てっきり“トリなので”、みんな帰ってしまうかと危惧した我々病気会員もこれで一安心。あとは思う存分嘲笑の的になってくれれば、病気ファンとしてこれ以上喜ばしいことがありましょうか!
2曲目は、「新曲を・・・、用意、しました・・・」との“元気な声”で始まったミドルテンポのナンバー。
猫耳メイドォ〜〜〜ォォォオオオ!!!」
大きく叫んだ病気マンでしたが、それって、前のライヴでも聴いてんじゃん!でも、きっと病気マンの中では、相当におもしろいネタに思えたんだろうね。ちょっと安易だったね、病気マン!
とは言いつつ、意表を突かれた病気マン倶楽部会員には大好評を持って迎えられ、私も思わず一緒に叫んでしまいましたよ。
「スカトロは、変態じゃないんだぁ〜!!!」
いや、やっぱり変態でしょう。倒錯したお金持ちが享楽する、そんな禁断のパロディに撤しているんだね。そこら辺の洞察の深さが、闇の世界に対するいじましいまでの執着心につながっているんだ。凄いよ、病気マン!
そして3曲目は、既にみなさんもご存知!「オ〜ッパイ!オ〜ッパイ!」の斉唱で知られる、「愛の形」です!
歌って踊れ、病気マンと一緒に!
「オッパーイ!オッパーイ!」
引きこもりだって恋をしたいんだ!夢にまで見るのさ、
“ロリ顔だけど巨乳!”
「ミス・ホルスタインはどこに行く?」
「ミス・ホルスタインコミケに行くゥー!」
これで「撲殺天使ドクロちゃん」のコスでもしてたら、たちまち周囲のアイドルと化すこと間違いなし!でも病気マンは勘違いして、「花と夢号」を抱えたままステージダイヴしちゃったよ!
今日も滑るよ、床の上!
「スイススーイ!」
ギター裏面にネジ止めされた、東急ハンズ製のローラーも脂が乗り切ってるね!
「ボカッ!」
ああ、いけないよ!一生懸命な病気マンに“蹴り”を入れるチンピラは一体誰!?ああ!なんとゴキブリコンビナート座長の、ドクターエクアドル氏じゃないですか!そうか、これも底辺の人間である彼らが見せる、極上の愛の表現方法なのか!
「愛情一本!チオ“ビンタ”ドリンク!」
日頃の恨みを晴らすかの殺意に満ちていた気がしましたが、それも単に、私の“思い過ごし(見て見ぬ振り)”なのでしょう。
おーっと、そんな病気マン。今度はそばにいた人物をど突き始めたよ!珍しいね、まさか引きこもりの病気マンが、生身の人に向かって手を上げるとは。成長した病気マン、私は思わず、涙ぐんで応援してしまいました!
と思って良く見たら、なんだ、ライヴハウス20000Vの壁に描かれた、チャールズ・ブロンソン風の男性と、隣にいる浅岡ルリ子似の(似てねぇか)女性にクダまいてただけなんだね。
やっぱ生身の人間は怖いもんね!単にペイントされた偶像になら、いくらでもいちゃもんつけられるもんね!体当たりだって、“小安キック”だってお手のものさ。メッタクタにやっつけてやるのを見たよ。でも、ボロボロになったのは病気マン、君の方だったね、残念!
そして、いよいよラストナンバー。始まったのはポエトリーリーディング
題して「ストロベリーフィールズ
安達祐実もメロメロになりそうなくらいの“甘ぁ〜い”ヴォイスで、情感豊かに変態世界を謳ってみせる病気マン。うん、やっぱりキショイ。やっぱりキショイよ、病気まぁ〜ん!
と次の瞬間、突然怒り出す病気尊師は、手にしていた詩集(実際はダイソーとかで100円で売っているCAMPUSのノート)に火を付けたよ!
「火を灯せー!」
お客さんのいる方の床に投げつけた病気マンは、そのままダイヴして、「今日のわんこ」とかで紹介されるような“火消し犬”みたいに、体当たりで消化に当たったんだ。凄いよ、病気マン!消防法もばっちり守るんだね!
でも、まだまだ火の気が足りない病気マンは、ステージに取って返して、オロナミンCならぬ、“ニトログリセリンD(単に容器がオロナミン)”を口に含んだよ。やるんだ、やるんだね病気マン!
「ブゴォォォオオオオーーー!!!ブゴッ、ブゴッ・・・!」
灼熱の炎で、新潟津南町の5メートルの積雪も溶かしてしまえ!そうすれば、消雪用に汲み上げる地下水の節約ができ、問題視されている地盤沈下や町の税金対策も解消できる一石二鳥さ。環境にやさしい芸風で一世を風靡だ!でも、山火事起こしたら損害賠償は全部カブってね、病気マン!!!
さあそして、次に取り出しますはチェーンであります!もうお分かりですね?
「世界は繋がっているんだ!」
そうです。この世は全て“チェーンメール”で繋がっているんです。
「このメールを24時間以内に15人へ送信しないと、20日後あなたの家の前には、ここ高円寺で採取されたばかりの、新鮮なゲロ入りポリバケツが放置されますよ!?」
と言ったかどうかは知りませんが、見事、鼻腔から咽頭を通り、口外へ達したツブツブクロームメッキのチェーンが、病気マンのゲロ中枢を刺激するのです。
それはちょうど、真珠入りのポ○チンでヨがる、淫乱売春婦の“アレ”にも似たほぐれ具合!(ちなみに、実際に真珠入りのポコ○ンでやってみても、素人は痛がって全く感じないそうです。これは玄人専門。百戦錬磨の“名器”を備えた商売女でないと太刀打ちできない、それは豪儀な一物なのだそうです:私に一体何の説明をさせるのだ!?)
おもむろにバケツを取り出した病気マンは、募りに募った想いの丈を存分に“ぶちまけ”ます!
「ゲゲーッ!ゲッ!ゲロゲーロ!」(それだと青空球児好児だろっ!)
吐いて吐いてー!吸って吸って!(吸っちゃだめ!)
大量の汚物によって充満した、便所掃除用ポリバケツを持って、君は一体ドコへ行くんだ!?まさか、あの関西で近隣住民から苦情申し立てられている、“悪臭おじさん”のとろじゃないだろうな!
いや、違った!ここ高円寺の床で、いとも容易くバケツを振り回してくれる病気マン!民どもが逃げるよ!
この“民”め!お前らは結局何にも分かっちゃいない。どこまで逃げても無駄さ。病気マンがもたらした“精神的レイプ”は、その後のおまえらの人生に、“猫耳メイドにつきもののシッポ”の如く、どこまでも影のように付いて回るのさ!
みんな「萌え〜」だ!「病気萌え〜」「病気、オエ〜!」こっちまで思わずもらいゲロ!合掌!
そして次ぎは、一体何をする気だ?何をする気なんだ病気マン!やめろ、やめてくれぇ〜!
まさかそれは禁断の奥義「頬、串刺し貫通」ではないか!その通り!
「ハイ、それでは!ここが5円ショップの“貫通コーナー”になりま〜す!皆さま並んで、順番に串刺しにされていって下さいね!あ、そこのお客様!“ずる込み”はいけません!いくらお目当ての淑女の隣が良いと言っても、“下半身まで貫通(カンツ)”されては規則違反となりますので、罰金2千万円払って失せろ、バーロー!」
ロマンチックが止まらない。ロマンチックな“妄想が”止まらない!
そんな変態性志向に彩られた出会いがあっても、それはこの世における一期一会。
「あら、殿方。あなたのアレが、“刺さって”おいでよ!」
「こりゃどうも。大変失礼おば致しました、ご婦人どの」
「いえ、お気になさらずに。どうやら、わたくしのアレが大変お気に召したと見えて・・・」
「そりゃもう、御意に!」
一体これは何のやり取りなのでしょうか!?
「ズブリ、ズブリ」と、周囲のから聞こえる失神寸前の絶叫を他所に、我らが病気マンは自らの頬に鋭い切っ先をめり込ませて行くのです!
「ア“ア”〜・・・。ア“カ”カ“カ”ッ!」
見事串刺しとなった病気男。例えばこのまま姿で、酔っ払いにからまれているお嬢さんを助けたとしても、果たして第二の電車男になれるのだろうか。いや、間違いなく拒否されるね、病気マン!(逆に“マキロン”を塗ってもらって助けられたりして!)
そして最後、充分に閉まらない口で一生懸命に歌う病気マン。聞こえてきたメロデーは、なんと!私が初めて病気マンと出会った、あの記念すべき日に奏でられたメロデーに他なりません!
「い〜た〜い〜♪い〜た〜い〜♪心がい〜た〜い〜♪ さ〜む〜い♪さ〜む〜い♪体がさ〜む〜い〜♪ 生きてるつもりが死んでいた〜♪ い〜な〜い〜♪い〜な〜い〜♪友達い〜な〜い〜♪」
名曲、アクースティックバージョンの(?)「ペイン」でした!
こうして、大盛況の内に幕を下ろした病気マン公演。終演後、「その串刺しの穴から、“煙出る”の?」と無理やりタバコを吸わせられていた病気マン!すっかりみんなのオモチャになっていたね!
そんなこんなで、やはりこの高円寺と言う、ある種特異な現場に馴染んでいた病気マンでありました!
私にはどうしても、夕飯に食べた“ホルモン焼き”が頭に浮かんで離れませんでした。病気ホルモン焼きですか?あの串を見ると、なんだか食欲を失ってしまいそうです!

@ちぇっそ@