破壊と高円寺

そう言えば、こないだの浅草エクストリームで気づいたことなんですが、名古屋から来たブラックメタルバンド、INFERNAL NECROMANCYを最前でかぶりついて見ていたときのこと。ヴォーカル氏の穿いているズボンのポケットに、「HYSTER・・・(後は手で隠れて見えない)」と印刷があり、「へぇー。ブラックメタルでも“ヒステリックグラマー”なんて穿いて、お洒落をするんだな。さすがだね」などと一人ごちておりました。
ところが、その後またポケットへ目を向けてみますと、なんとそこに書かれていたのは実は“ヒステリックグラマー”ではなく、「HYSTERIA!(良く見たらマジックで手書き!?)」であったことに2度びっくり!やっぱ一味違うぜ、インペリアルなヤツらは!デフレパードに代表される、英国魂を見せ付けられ(?)、思わず「萌え〜!」と唸ってしまった私でした。
そう言うわけで(どういう了見だ?)、今夜ははるばる高円寺まで、組織暴力幼稚園主催の「破壊と高円寺」を見に行ってきた私です!何を隠そう、この日出演するのは我らが病気マン!新春の縁起物にと、病気マン倶楽部代表であるワタクシは、書初めならぬ“病気初め”にあやかるため、病気神社への初詣に馳せ参じたと言う所存にございます!
高円寺で夕飯を食べようと思っていた私は、やや早めの5時過ぎに駅へと到着しました。乗り継ぎの清算をしなければならなかったのですが、運悪くこの日は清算機付近が工事中だったので、SUICAの更新のために駅員のいる窓口に並ばなければなりませんでした。同じように清算を待つ長蛇の列。皆イライラし、今にもひと悶着置きそうな気配すら感じられます。
やっと私の番が回ってきて、いざ不足分の徴収を!と思いサイフの中身を確認したとき、官僚主義でマニュアルなルーチン作業しか出来ない駅員が一言。
「この定期、切れてますね」
などとほざきやがる!私の定期は“半年定期”だ!大枚はたいて購入した、ひと財産に及ぶ通勤の要が、そう簡単に切れてたまるかと言うのだ!
「え、あっあぁ〜?これ、この定期ぁ〜、まだ切れてないっすよ。ボクぁ〜、“切れてないっスよ!”」
俺は長州か!もしくは“長州小力”か!私にこのようなことを言わせたこの駅員には、“気合を込めたストンピング”一年分を贈呈!
さてここからが本編。
同行したK氏との会話が白熱し、一番目のグリーンファンタジーズは見逃してしまいました。病気マンに前売りチケットを頼みに中へ入った時に、アンプの上にはぬいぐるみなどが設置されていました。なんかシアトリカルっぽい感じのステージだったのでしょうか。一方で、ショボイと言う噂も聞いていますが、そのダメさがたまらんと言う向きもあるようです。
2番手はSETE STAR SEPT!数年前に、このバンドのヴォーカル担当氏からデモCDを頂いておりました。その音は完膚なきノイズ。機会があれば是非見てみたいと思っていたのですが(と言うか、何かの“ついでに見れれば”ってとこだったのですが(笑)スマソ!)、いやこれが!CDのイメージとは全く正反対の、かなりピュアなノイズグラインドでびっくり。
普通にカッコイイじゃあないですか!手数が多く、何気にテクニシャンなドラム氏は、カナダにドラムの武者修行にも行ったことがある名人だとのこと。
そして、ソリッドでクラスティなカミソリギターには、なんとゴスロリ娘が熱演!?あれぇこのバンド、女の子なんていたっけなぁ。などと思いながら、でもちょっと「萌え〜」だったので近くまで行ってみました。すると、そこにはちょうど“くるぴの嬢”がおり、彼女に話しかけるのにカコつけて、私も最前にかぶりつき。しかし、MC中のメンバー間のやり取りを聞いていたら、どうやら”彼女に着替えた彼氏”だった模様!どうりで、やけに切れ味するどいカッティングだと思いました。
でも逆にこの方が“萌え度”が高かったですね。普通に女の子だったら、むしろちょっとつまんねぇな、な〜んて倒錯した思考を促すのは、私がすっかり「ストップひばりクン」の世代だからですか!?いやぁね、この歳になるともうわけが分かりませんよ。この世は、一億総中流主義と言う名の牢獄に閉じ込められている。そんな行き場のない欲求不満に、見境無く抱いてしまう擬似的な恋愛感情!
“めごいヤツ”なら誰でもいいんです!私に「愛」を下さい!
おっと、取り乱してしまいました。ここはあくまで“リポート”をする場であって、決して私自身の「カミングアウト」をする場ではありません。いえいえ!まさかそんな変態性志向を、この私が備えていようとは思わないで下さい!これは、その・・・、あ・・・、いや!何かを言えば言うほど、いい訳の泥沼にはまってしまう私でありました。こんなことばかり言っているから、また疑われちゃうわけですね。(何がや!)
最近いないくらい、懐かしい感じさえ受けるSETE STAR SEPTのライヴは、ホントにカッコよかったです!
続きましてはGAJIRO!スリーピースのぶっ壊れたガレージサウンド。ドラム氏は、先日来日を果たしたレオン・ラッセルが、かの有名アルバムで施していたような白塗り姿。不規則なリズムがむしろ心地よく、あえてその影響の根源をさぐるなら、キャプテン・ビーフハートの如きラジカルさがあると言えましょうか。クールです!
ドラム氏のセッティングは、“バスドラの前にハイハット”を置く形になっており、それは正に、狂ったビル・ブルッフォード(“ブラッフォード”を怒らせたと言う、某レコード店のインタヴュー時の本人呼び名を採用)のようでした。
しかしブルッフォードの場合は、通常スティックで届く範囲でハイハットが外側へとセットされていましたが、彼の場合、それは明らかに無理に見えました。果たして、単に飾りとしてだけ、オブジェのように鎮座するハイハットは、既に叩かれることを拒否された、この世のものではない亡霊なのでありましょうか。
ところが!演奏も中盤に差し掛かったころ、なんとおもむろにドラム氏が取り出したそれは!なんとチープトリックのバニー・カルロスも真っ青と言う(ドラムソロの時に60cm長の馬鹿スティックを使う。しかもレギュラー商品として楽器屋さんで販売中)、身の丈70cm以上はあろうかと言う長尺のスティック!(もはや“ステッキ”と呼んで差し支えない長さ)
「サッ!」と手首の“返し”を使って、華麗に振り下ろしたその先で、「シャン!」とひと鳴りするオープンハットの調べ。(っていうか、もちろん足まで届かないのでハットは開きっぱなしだ)
「これか!これだったのか!」この伏線に、思わず「してやられた!」と、変態性志向に対するライヴァル心を燃やしてしまった私。
「アフォだ、アフォ過ぎる!」
とにかくこのドラム氏の一挙一動がおもしろいのです。米国の「16」と言うストーナーバンドが「Scott Case」と言うアルバムでやって見せた、タバコ3箱分くらいを一気に口に詰めて見せた“お馬鹿ジャケ”のように(例えがマニヤック過ぎてスマソ!)、スティックを大量に鷲づかみにし、全てばらまく!
(これは私も数年前に何度かやっている。私の場合はライヴ一曲目、冒頭20秒辺りのブレイクで、スティックケースごとひっくり返すと言ったものである。これによって、今掴んでいるスティック以外は使用不可能となり、“俺はこの一本で、プロゴルファー猿のような男気を見せるのだ!”つまり、後は折れようが何しようが、スティックは離さない。「次のがあるからいいや」ではなく、「次などないのだ死ぬ気でやれ!」と言うわけ。実際、新品で太さ16mm重さ70g弱の卸したてスティックが、たったの3発叩いただけで折れてしまい、しかし先ほどの理由から持ち替えなどせず、先っぽが半分ない状態で一曲通したことがある。これ以来、70g以下のスティックの仕様は自重している。物質至上主義に対するアンチテーゼ、もしくは単に貧乏人根性とも言う)
脱線がはなはだしく、路線修正。
やる気があるのかないのか、このドラム氏。(いや、相当にやる気だ)曲中のブレイクポイントで、妙なポージングを決めるなど、非常に頼もしい“キチGUY!”振りがとても楽しかったです!
「おっと、そこは!」ワンフロア、ノータムのセットでたたく彼。そこに“タムはない”ですから!もちろん、“見えていない”のは、我々凡人だけ。天才たる所以は、“見えざるものを見る能力”たればこそ!(でも社会生活できなくなるから、なれなくていいや)
シンプルでありながら、密度の濃いステージはこれにて終了。いやぁ、良いものを見せてもらいましたよ!
そして本日4番目は、某レコード店のインディーズ担当者(元上司)も大推薦、中学生棺桶の登場です!まあ、見るからに“間違っている”風貌。リーダーのギター氏は、弱冠20代前半と言うのに、蓄えた髭がまるでヘルズエンジェルスのよう。(無理くりな例えだ)
もう一人のギターも、どうやらG・G・アリン好きが嵩じて、すっかりそのレイヤーさんと化した人物であるようだし(長髪で即頭部は剃り落とし、カイザル髭がいやらしい山海塾みたいなヤツ)、ドラムには赤い頭巾を被る怪しい人影が!
それは、巨神兵を運搬中に墜落してしまった母船を調査しに来たトルメキア軍の兵士のような出で立ち。「みんな燃やしてしまえ!すべて灰に帰すがいい!」「ああ、風の谷が!風の谷が!もう300年も水源を支えてくれた森だよ!もうおしまいだ!この谷は終ってしまった!婆さま、ワシらは一体どうしたらえぇんじゃあ〜!」
“スクリーンだけで”7回以上もナウシカを見てしまった私の回顧主義は相当なものです。
えー、なんでしたっけ?あ、そうそう。中学生棺桶でしたね!意外と質の高いロックサウンド。MCも、共産主義をあけっぴろげに(?)しており好感触。ギター氏の腕に(マジックで)刻まれた、「反!戦後民主主義(あ、っそう)」や、もう片方の腕に「八紘一戸(違ったかなぁ。なんか意味深な感じのヤツ)」などと書かれたプロパガンダにいたく感動した次第にございます!
これらの意味がよく分からないので、知っている人や、訂正などがあったら募集しておりますので、ご覧のあて先にどしどしご応募くださ〜いね!
と言ったところで、残る2アーチスツに至っては、めんどくさくなってきたので翌日に繰り下げ!と言っても、もしかしたらすぐに更新するかもよ!?なんだかブログの使い方を間違ってますね!こう言うのも、もしかしてネチケットに反するのでしょうか?
そんなしちめんどくさいことなど意に介さず、相変わらずマイペースで、マイチョイスで(何がやねん!)、勝手気ままに風まかせ!ちぇっそもっさライブラリーは続くのです!

@ちぇっそ@