ツアー雑記③

メトロポリス〜名古屋に胎動する歯車

さて朝目覚めると、昨日それほど呑みすぎたわけでもないのに、不快な偏頭痛を覚えています。それでも何とか体を引き起こし、車内の空調にやられた喉に潤いを与えるため、自販機までジュースを買いに出ます。駐車場の一角では、全員揃ったメンバーが円陣を組み、まるでヤンキーの集会の如く朝の朝礼(?)を行う様子が目撃されたことでしょう。(もちろん私も組み込まれているんですがね!)
それでは名古屋へ出発。しかし、相変わらず頭の痛い私は、車中でほとんどの時間眠っていたのでした。従って、その道中の出来事にはあまり関与せず。やおら名古屋へ入国した時点でやっと目覚めると言った体でありました。
しかしそのお陰か、先ほどまでの頭痛はどこへやら、すっかり元気を取り戻した私。「腹減った、何か食わせろ!」と言ったわけで(いや実際には言ってませんが)、パーキングで昼飯を食うことに。昨日から「カレー」にこだわっているフクダ氏につられたのか、確かにカレーの食いたくなった私は、早速券売機にてカレーを注文。しかしそれが功を奏したのか、ここで食ったカレーは私が日頃求めている理想のカレーに近い味で大満足でした。但し、ご飯がちょっとパサパサ過ぎた。
名古屋は雨。時々晴れ間が見られるものの、どうやこのまま愚図ついた天気は回復しそうにありません。ロビンさんが100円ショップでショッピングしようと言うので、路駐激しい名古屋の沿道に車を止め、皆でとぼとぼ市内を徘徊します。
六本木の屋上のジェットコースターなどが問題となっているようですが、ここ名古屋市内にも、「え!こんなところに!?」と思えるショッピングモールの真っ只中に、観覧車が設置されているではありませんか。交差点を曲がると、ビルの谷間から観覧車が半分顔を出していると言う異様な光景に、しばし呆気に取られた私でありました。
無事買い物も済ませ、会場であるSONSET STRIPへやって来ました。まだ開店しおらず、時間を持て余した我々は、それぞれ小腹を満たしに各所へ散らばって行きました。フクダ、ジョージの両氏はカレーのCOCO壱へ。私は、名古屋へ来たからにはやっぱ味噌煮込みうどんでも食わねば!と言うわけで、早速うどん屋探しへ。
KONNO氏、ロビン姉さんと連れ立って歩いて行きますが、どうやらオフィス郡であるらしき一帯には、営業している飲食店が極端に少ない。それでも、淡い期待を胸に突き進んでいった先に、やっとお目当てのうどん屋を発見(もちろん営業している)しました!
店はいわゆるチェーン店みたいな感じで、あまり「本格」の雰囲気は感じなかったのですが、それでもご当地で食べる名物だからこそ感じる、なんともいえない満足感だけは満喫することが出来ました。
車へ戻った頃には、どうやらライヴハウスも開店したらしく、そそくさと機材を搬入、リハがスタートします。私はまたもや、ライブハウス向かいの道路に古本屋を発見しており、各バンドがリハを済ます間に、KONNO氏と連れ立って、プロレタリアな古本巡りへと没入致しました。
購入したのは、講談社の「露和辞典」(本当に辞書だかんね)と、今枝弘一撮影「ロシアンルーレット」と言う、ソヴィエト崩壊の瞬間をとらえたフォトドキュメントでした。今までこう言ったソ連の写真を持っていなかったので、とても新鮮でした。新鮮な死体写真なども満載で・・・。と言うのが目的ではなく(本当にレアなヤツが写ってはいますが)、現代に興った革命を切り取った叙事詩の一部として、是非今後の参考にしておきたい資料であると思ったからです。
さてライブでは、実際の演奏とは違った場面でハプニングが。本番直前、気が付きゃメンバーが一人足りない。「あれ?フクちゃんは」の掛け声で気づいた全員。「その内来るんじゃねぇの?7時まで車で寝るって言ってたから」と言うか、既に時刻は出番の数分前。さすがにやばいと思い、デスカヤ氏が様子を見に行きます。
するとやっぱり!本当に、それまで寝続けていたと言うフクダ氏が、寝ぼけ眼で登場したのでした。終演後に聞いた話では、確かに7時にタイマーを掛けていたのだが、7時は7時でも、“朝の7時”であったことが判明!そりゃ、寝てるわな。この、いかにもフクダ氏らしいエピソードに皆爆笑!私のブログの格好のネタとして使用させて頂きました。(登録商標@フクダ)
しかし、寝ることが“人生におけるコレクション”でもある彼のこと、例えそれが朝の7時までであろうと、例え寝ごごちの悪い車中であろうと、君なら出来る。朝の7時まで13時間くらいはぶっ通しで寝続けることがね!(実際にツアーから帰宅後、自宅のコタツで18(18時間の意)寝たそう。俺は、ムリ!)
ライヴ終了後は、打上げには参加せずに即帰宅。翌朝にはレンタカーを返さねばならぬのと、私は午後から会社へ出勤であるからです。名残惜しさに後ろ髪を引かれながらも、関係各位に挨拶をして、日付の変更するより大分前に、尾張100万石を後にした我々でありました。
しかし、この後とんでもない悲運に見舞われることになるとは、一体誰が予想し得たでありましょうか。混濁を極めるREEXツアー最終章、次回「大塚への遥かなる雪中行軍〜寝るな!死ぬな!蘇れ!〜」をお楽しみに!

@ちぇっそ@