UNDER GROUND JAPAN FEST 2005

先日のスラッシュドミネーションの疲れ癒えぬまま、本日はHAEMORRHAGEジャパンツアーの東京初日、浅草KRAWOODで開催されたUNDER GROUND JAPAN FESTへ行ってきました!出演バンドが多いのでサクっとご紹介。
1番手は324!今更このバンドについて何をか語ることもありませんが、今日もドラムのS田氏は絶好調!怒涛のワンバスブラストを炸裂させていました。全体の音が非常に良く聴こえ、本日のオープニグを飾るに相応しい素晴らしい演奏でした。余談ですが、終演後のロビーでアコギ相手にジューダスを熱唱していたのは、何を隠そうドラムのS田氏でした。(笑)いや、意外と綺麗なハイトーンに聞き入ってしまったり。と言うか、早くもこんなに酔っ払ってどうするんですか、アナタ!
2番手はDISCONFORMITY!泣く子も黙るブルデスの権化ですが、今日はギターが前面に出ておりまた一段と凄い迫力!しかしギターが出すぎて、ドラムがあまり聞こえなかったのはちょっと残念。まあ、PAさんに苦言を呈すわけではありませんが、この状況はZILLIONの時にも見られ、特にリズム隊が強烈な両バンドにとっては弱冠不本意な結果となりました。
3番手はDEATHCOUNT!打込み馬鹿グラインドでお馴染みですね。普段の西荻窪WATTSとは雰囲気の違うこの会場でも、その馬鹿さ加減は変わらず、客席後方まで満遍なく使ったパフォーマンスで、良識人の常識を打ち破る破天荒なライヴを見せてくれました!バッキングが打込みなのでドラムの音量も問題なく、初見の方にも意外と好評を見せて終了したようですよ(!)よかったね、キミタチ!
4番手は本来ならばGUILLOTINE TERRORだったのですが、どうやら何かトラブルがあったようで、ひとつ繰り上がったZILLIONが登場しました。独特のリズムワークを持った楽曲はやはり唯一無二!小気味良いライヴが展開されて行きます。しかし先ほど述べたように、惜しいかなドラムが良く聴こえない!この隠れたテクニシャンの妙技を充分に堪能することなく終了してしまいました。やっぱり少し大きな会場だと音作りが難しいんすかねぇ。
5番手には何とか間に合ったGUILLOTINE TERRORが登場します!なんと彼らは現在日本横断ツアー中らしく、本日も名古屋からの帰りにそのまま寄ったという感じだったのです。しかし東京へ向かう途中にツアー車が故少し、それが原因で順番にひとつ間に合わなかったということだったようです。しかしそんな逆境ももろともせず、激しいパフォーマンスを披露してくれました!ハードコアのノリを伝えるプリミティヴなスラッシュビート。いかにも男臭い怒涛のモリモリメタルに、思わず拳を振り上げてしまった私です!ナイス、スラッシング
6番手はAT ONE STROKE!比較的良く知られたインディーズバンドですが、ミクスチャー系の要素も入り、正直私の趣味ど真ん中とか行かないバンドさんではありました。しかし、「ちょっくら見てくるよ!」なんて324のS田氏がライヴを見に行き、ものの2,3分して“YO-YO-系”で、バリバリ陽気なノリになって戻って来たのを見て(笑)、「せっかくだからちょっとだけ見ておこう」と、私も見に行くことにしました。そしたらアナタ、なんだかえらくカッコいいじゃないすか!先ほど出演したDISCONFORMITYの巨漢ベースの人まで“お神輿”されてます。(笑)ちょっと無理があるんじゃないかと思いましたが、確かにこれだけ楽しければ止むを得ませんね。結局最後まで鑑賞。真摯なメッセージを込めたMCにも心打たれるものがありました。アーティスティックな精神を突き詰めたバンドと言うものは、やはりジャンルを超越してくるものなのですね!
7番手はBUTCHER ABC!この頃になると私も相当良い感じで酔っ払っており、そんな絶好のタイミングで勝手知ったるバンドが登場したらば、そりゃもう暴れまわるしかないじゃありませんか!本日はフロントの2人ともガスマスク着用。久しぶりにフルメイク(?)のブッチャーが炸裂していました。コーラスだってばっちりとりましたよ。申し分のないライヴで、いよいよクライマックス近づくイベントの雰囲気を盛り上げてくれたのであります!
そして8番手にはなんと、まさかこの手のイベントに出演するなど誰が予想したでありましょう。もはや日本裏音楽界のドンたる、JOJO広重氏率いる非常階段が登場致しました!ノイズと言う殊更アヴァンギャルドな音楽を突き詰めてきたアート集団。それは言わばクラッシックであり、またはパンクである。全てのジャンルを総括し、しかも全てのジャンルを凌駕する究極の音形態。形容不可能!なぜならば、その音は精神の内向へ向かって沈降し、聴視者各人の心象風景を映し出すものに他ならないからである。内部にうずくまった個人の最深部が表出し、聴こえる音は聴取者それぞれによって全く異なる調べを奏でているのだ!あらゆる音楽であり、聴き人の耳に最善のパルスをもたすのが、実は最も間口の広い、雑音の為せる万物性によるものなのである。よってここに“非常階段”とする。理性と言う名の堤防が決壊したとき、ただひとつ助かる道は「非常階段」へ逃げ延びることのみ!自身の存在理由のために残された、唯一の生命維持装置なのだ。非常階段と言うものはつまり、そういう存在である!
JOJO最高でした。非常階段サイコー!モッシュが起こりましたよ、当然です。私なんか体が宙に浮くまで待とうかと思ったほどです。え、意味分からないですって?分かんなきゃ別にいいで〜す!
9番手はVISCERA INFEST!大分からやって来た“オモシロ顔グラインド!”。ドラマーが失踪?今回の主催であるGRAVITONのメンバーが替わりを勤めます。しかしそのパフォーマンスは相変わらず。大分ネット投票で常に上位に君臨する(!)、その実力は伊達じありません。上半身裸のメンバーは黒塗り土人メイクを施し、激烈ブラストを炸裂しながら、その合間に器用にも“ファニーフェイス”のオプションも忘れない!爆笑と驚きの入り混じった独特のパフォーマンスを繰り広げます。そんで本編終了。颯爽とステージを後にしたメンバーは、なんとドラム氏が全裸だったのです。熱烈アンコールに応じて登場したメンバーは、今度は全員全裸!(笑)汚いものをはみ出させながら(笑)、大好評のライヴが終了しました!
さあそしてラスト、スペインからの刺客、HAEMORRHAGEが浅草の地に足を下ろします!なんと今回は残念なことにメンバー5人の内、ドラムと女性ギタリストが都合により来日出来なかったとのこと。特にドラム氏などは、話によるとどうやら病気らしく、その病状のほどが気になるところですね。
そういったわけで、ドラムは打ち込みで対応。しかも日本へ来てから製作したという慌しさ。しかしライヴの方はそんな苦境を全くものともしない、エネルギッシュなパフォーマンスで我々を魅了してくれたのです!
ヴォーカル氏など、ブラッドダスターもあわや!と言った風な、上半身裸の血みどろペインティングを施しています。奇妙な踊りでレッツダンシング!小道具の“脳みそ”まで飛び出し、正にカーニバル・イズ・ア・“カンニバル”!さすがのムチャ・グラインドっぷりを披露してくれました。ギター氏は手術衣に身を包んでクール&サイコな怪しさを醸し、ベースもステージ狭しと駆け回りネックを垂直に掲げて会場を煽ります。フロアではモッシュ&ダイヴが途絶えることなく、この日のオーラスを飾るに相応しい盛り上がりがありました。
ホントに楽しかった!先日来日したNUNSLAUGHTERの時と同じくらい、非常に印象に残るライヴでした。こう言うバンドなら、いくら来日してくれても大歓迎ですね!
確かにアンダーグラウンドなイベントでしたが、音楽性の幅は広く、しかしどのバンドが浮いてしまったということにもならず、意外とまとまりのある企画になっていたのではないでしょうか。まあ、長丁場ですので時々趣向の違うバンドが登場すると、新鮮に感じるというのもあったのでしょうけどね!

@ちぇっそ@