初台WALL

今日はREEXのライヴをやってきました、初台WALL。既に報道されている通り昼過ぎに大きな地震があり、都心では交通網が大混乱をきたしておりました。ここ初台でも当然その影響を受けたのでした。
我々のリハが終って私は腹ごしらえと、コンビニへ寄りに出かけました。その帰りに大きな揺れに遭遇。首都高下を歩いていた私は、最初上の道路で事故か何かがあったのかと思いました。
車線をはみ出し、転落してきたトラックが地面にぶつかったのかと思い、思わず頭上を見上げました(ま、本当に落ちてきていたらその時点で死んでますが)。そしたらなんと、陸橋が揺れているではありませんか!
近くのビルから飛び出てきた管理人さんが「今のはデカかったねぇ」なんて言って、「ああ、地震だったのか」と安心した私。って、それならもっと状況は悪い!まごうことなき高層ビルに囲まれた大都会の真っ只中。割れたガラスの破片が降り注いでこないか、またはビルそのものが倒れかけて来たら、それこそちっぽけな人間などひとたまりもありません。
更なる余震に注意すべく、しばらくは頑丈そうなコンクリの柱になどに寄り添いながら、そろりそろりとライヴハウスへ向かったのでした。いや正に危機一髪。大災害時の予行練習となった東京直下型地震であります!
さて、その天変地異が治まったのはよかったのですが、電車は軒並みストップ。地下鉄が先に復旧したようでしたが、JRに至ってはその見込みすらなし。開場時間になっても一向にお客さんが集まって来ません。
「このままじゃ今日のライヴは一体どうなるんだ」と、募る不安が隠せません。まあ、それもある意味面白いのですが、お客さんがいないのはともかく、なんとまだメンバーの揃っていないバンドさんもいるとのことで、事態はいよいよ深刻なものとなっているのでした!
15分押しで始まったライヴ。バンドの方はなんとか間に合い、お客さんもちらほらとですが入場して来ました。どうやらとりあえずの“形”にはなったようで一安心。ま、簡単ですが、ライヴの模様をご紹介!
1番手はBROAD SIDE。元気いっぱいのミクスチャーサウンド。ドレッドのドラム氏がパワフルで、そのリズムが非常に気持ちよかったです。
2番手はSONGS FROM THOUSAND DOWN FALL。Keyを含む4人編成のインストバンド。徐々に盛り上がって行くインプロヴァイズが中々の好評を博していたようです。
3番手はSOBRAQUET。こちらもインスト。本来は3人いるそうですが、都合により参加できなくなったメンバーを置いてけぼりにして、本日はドラムとギターの2人で演奏していました(別に地震で遅れたわけではない:笑)。抜けるスネアのアクセントが心地良いグルーヴを出していました。
4番手に我々REEXが登場です。今日は、またなんと言うか、とんでもないライヴになってしまいました。どうも今日のメンツを見ていると、果たして我々がこの場に相応しいとはとても思えません。多分、「酷い騒音を出すバンドだ」と、どん引きされるのではないかと予想していました。
しかし、いざライヴが始まってみたら、なんと1曲目にして調子ぶっこいたデスカヤ氏がアンプによっかかった拍子に転倒!それを横目に「あ、コケた」と思った私。不運は重なるもの。これでお客さんが更に引いてしまうのではないかと、演奏し終わった後の曲間が怖いなと思いました。
結局本日の地震同様、復旧に手間取ったデスカヤ氏は曲中復帰できず、そのまま1曲目終了。客席からはどういった反応があるかと、戦々恐々して待ち受けていました。そしたらなんのことはない、欽ちゃん的に言うならむしろ馬鹿ウケ!思わぬアクシデントが功を奏した模様でした。
お客さんの気分が随分ほぐれたようで、その後もかなりの手ごたえを感じながら、楽しく演奏することができました。マーティ・フリードマン的に表現するなら、「7回転んでも、8回おきればいいじゃん!」ってことですね。ラストの主催バンドさんへ見事な(?)バトンパスをして、我々はステージを後にします。
そして本日のオーラス、PIETAの登場です。なんとこちらのバンドさん、まもなくバンドごと沖縄へ移住されるとのことで、事実上今夜が東京在住中最後のイベントとなるのです。音楽的にはエモーショナルなミクスチャーサウンド。少したとえが違うかも知れませんが、言ってみればナンバーガールのような激唱系と言った感じです。
なんか、心の青い部分に突き刺さってくるようで嫌いじゃないですね。昔はこういった音楽も聴いていた私としては、この手の中では非常にレベルの高いバンドだと思いました。ストーリー性のある曲展開で聴かせてくれます。フロアには、和が子の雄姿をひと目見ようと来場した親御さんの姿も見受けられ、それに気づいた私は思わず目頭が熱くなったりして(笑)。
いやいや、ライヴの方はそんなしみったれた雰囲気など微塵もなく、むしろ沖縄で再出発を計る彼らの意気込みが伝わってくる、とてもエネルギッシュなものでした!
途中、ゲストで女性の方がヴォーカルを取りましたが、この方、きっと昔(もしくは別バンドで?)ヴォーカルとか、絶対なにか経験している人ですよね?すごくハマってて、かなりカッコよかったんですけど(笑)
そんなわけで地震にも関わらず、最後は友情の名の下に大勢集まった熱い同志の声援を受け、激情バンドPIETAが今夜の有終を飾ったのでした!

@ちぇっそ@