いち、にぃ、サン、ダァー!!!

というわけで昨日、復活後初の来日。THINDERクラブチッタ公演に行って参りました!
思い起こせば数年前、涙の解散コンサートを追っかけたワタクシ。当時、某レコード店に勤務していた私は、「ワイルドハーツのツアー追っかけ日記を載せたくらいですから、THUNDER解散コンサートの全リポートも載せましょうよ!」と、某「鋼○魂」というフリーペーパーの記事を提案したものの、「別にやんなくていいよ」2つ返事で却下され、悲しさ2倍になった思い出があります。
この日をどれだけ待ちわびたでしょうか、万感の思いを胸に向かったクラブチッタ。復活ののろしをしかと見届けるべく、先ずは川崎駅前の英国風パブで軽く1杯引っ掛けて行きます。ブラウマイスター、軽食にチョリソードッグです!
それから会場へと向かった私ですが、ここまで来たからにはついでに寄って行くところがある。と、某ドゥームバンドのドラム氏の勤務地へと赴きます。居るかなぁ、なんて中を覗きこむと、先に私を発見した氏が中から出てきてくれました。
「やあ、こんにちは!」アラキング氏のご登場です。(普通に紹介するんなら別にバンド名を伏字にする必要もないっすね)会場時間までちょっと立ち話をして来ました。
さて5時過ぎにチッタ到着。既に入場が始まっており、私も列に並んでいそいそと、チケットを切られに進んで行きます。ロビーでは物販が広げられており、買いそびれていたひとつ前のアルバムがあったので即購入。最近どこにも置いてなかったのでちょうど良かった、しかも早めに買ったのでサイン付きでした。そういえば、今までサンダーのサインって持ってなかったです。
さあそれでは、会場内でドリンクを1杯引っ掛け、万全の体制で本番に臨みます。
場内暗転、すると西部劇のサントラが流れ始めました(なんの映画だろ?)。そしてステージに張られたカーテンに、“THUNDER”の蛍光文字と、馬に乗ったカウボーイの姿が映し出されます。彼らの最新作は西部劇調で統一されており、今回のツアーもそれに沿った演出が為されているようです。
音楽が盛り上がり、それにつれカーテンに照射されるロゴ文字の点滅速度もテンポアップ。まるで古きキャバレーといったおもむきに、開演前から気分は最高潮!
そしてバンドの演奏開始と同時にカーテンが上がり始めます。1曲目は前作のオープニングナンバー「Loser」でした。復活第1弾の前作では来日していなかったので、罪滅ぼしも兼ねて(?)今回の始まりをこれに決めたのかも知れませんね。
大盛り上がりで1曲目終了。すぐに次へ行くのかと思いきや、待たれていた来日に、会場からは鳴り止まぬ歓声が。しばし間を置いてこの瞬間を楽しむメンバー、この大歓待を噛みしめているようです。
続いて最新作から「Amy’s On The Run」。哀愁漂う渋いナンバーです。ここから先は曲順不同、1stアルバムから定番曲「Higher Ground」で大合唱し、ルーズなリズムが特徴的な「Monkey See,Monkey Do」、個人的に好きな曲をやってくれて嬉しいです!
そしてここら辺だったでしょうかね、MCの間、ドラムの“マン・ウィズ・ノー・ヘア”ハリー氏が立ち上がって観客を煽ります。妙に盛り上がるので、ヴォーカルのダニーが次のへ進行できません。
ダニーの隙を狙って立ち上がるハリー氏、終いにはドラム台へ登ったダニーが「もう気が済んだか?いい加減にしろ!」と文句を言いに行きます。「ああ、いいよ。わかったよ」とハリー氏。まんまコミックバンド的なやり取りに場内は大爆笑。この気軽な感じがTHUNDERライヴの一番の魅力であります。
そして名バラード「Don’t Wait For Me」で一気にムーディな雰囲気に。この辺りの場面切り替えが本当に素晴らしい!THUNDERについていつも思うことなのですが、さっきまで飛び跳ねていたかと思えば、次の瞬間涙が頬を伝っている。選曲の流れ、見る者の心をつかむ絶妙な楽曲の配置は、ライヴで培われた経験と感の良さの成せる業です!
後は新作から「I Love You More Than Rock’n’Roll」、「The Gods Of love」、「I’m Dreaming Again」「Fade In To The Sun」、「You Can’t Keep A Good Man Down(この曲もスリージーなロックンロールで好きです)」。1stから「love Walked In」、3rdから「Stand Up」を演って本編は終了だったでしょうか。
途中、「アルバム買ってないヤツ!」の問いに、こともあろうに手を上げてしまった不届き者がひとり。怪訝な顔をしたダニーは、この後、事あるごとに彼をいじり倒していたのでした(笑)。
アンコールはWILDCHERRYの名曲、「Play That Funky Music」のカヴァーで幕を開けました。
そしてKISSがそうであるように、このTHUNDERとうバンドでもドラムがフロントへ出て来る曲があります。アコースティックナンバー「A Better Man」ではギターを持ったハリー氏が登場。ちょっとだけ発声練習をしますが、歌うのはダニーです。そしてリードギターのルークがハーモニカを吹き、プチアンプラグドの始まりです。
途中、間奏でルークのハーモニカソロになると、「おい見ろよ。あいつひとりでカッコつけてやがるぜ!」なんて、横一列に並び傍観する一行。あんたら、バンドのメインソングライターにもっと協力しなさいよ!
そして最後のコーラスになったとき、突如ダニーが「あとはまかせた!」とばかり、最後の一節をハリー氏に託します。しかし予定外の出来事にハリー氏困惑。「できないよ」と身振りで示すハリー氏ですが、「いいから、いいから」とまた身振りで返すダニー。やっぱりコミックバンドだわ、この人たち。
腹を決めたハリー氏、歌いだすかと思えば発声練習。さあ、本番と行きたいところでまた発声練習。そしてまだ発声練習。いつまで経っても歌い出せない、優柔不断なハリー氏であります。
歌声はどこかフィル・コリンズに似た(決して“ヘアスタイル”だけが似ていることにあらず!)無垢なハイトーンヴォイス。しっかりとお勤めを果たしますが、ラストはちゃっかり、「俺には髪の毛がない」とかなんとかって歌詞を変えてました。ま、お約束のネタなんですがね(笑)
いよいよラストナンバー!THUNDERと言えばこの曲、「Dirty love」で締めくくり。「ナナナ〜ナナ♪」のコーラスを観客に歌わせます。それこそOVERKILLの「Fxxk You」のようにフロアを分けたりと。しかも今回はステージ下まで降りたダニーが観客一人づつにマイクを向けるというサービスまで披露!何回となくTHUNDERのライヴを見てますが、このような光景は初めてでした。最前にいた人は役得でしたね。マイクを通さない生声を目の前で聞けたんですから!
というわけで、こんな感じで全て終了。復活の感慨に浸るというより、単に旧友と再会するときのように、「まわりくどい御託はたくさん!昔みたいに、ざっくばらんと行こうぜ!」な〜んて、とてもフレンドリーで楽しい時間でありました。ホントに、この人たちには日本に住んで欲しいくらいです。「今日はちょっくら、THUNDERでも見てくるか!」そんな感じでライヴに来たいバンドです。
新作中心のセットリストでしたが、昔の曲は散々聴いてきているので、個人的に不服はありません(笑)。新作はどの曲も素晴らしくて、むしろ臨むところでしたから!

@ちぇっそ@