「いかレスラー」vs「アレックス」

えー月曜日にDVD無茶借りしておりして、またしても映画のお話で恐縮です。
先ずは日本製作のポンコツ着ぐるみ映画、「いかレスラー」をご紹介しましょう。この作品は、知る人ぞ知る(結構有名か)、カルト甲殻類スポ根映画「えびボクサー」の日本公開を仕掛けたことで知られる、変態配給会社アルバトロスの当時ディレクターだった、叶井俊太郎の企画(出資か?)作品です。
監督はまた別の方なのですが、およそ売れ線とは思えない作品の構想を練っていた監督もそうですが、それを「じゃあ、やりましょう!」と即断した叶井氏も、相当な変わり者であります。
あらすじは。。。失踪した伝説のレスラーが「いか」になって戻ってきて、現チャンピオンを叩きのめし、今度はリベンジを誓ったチャンピオンが「たこレスラー」となってリングに舞い戻る。そしたら次に強敵「しゃこボクサー」が現れて。。。といった具合に、いか、たこ、しゃこの、海の海産物三つ巴の攻防が繰り広げられるわけです。
いやぁ、見る前から大体予想はついていたのですが、やっぱりダメダメ映画でした(笑)。単にこの作品が製作された経緯だけ知ってもらえれば充分です。内容についてはちょっと、コメントは控えさせて下さい。あまり酷いことは書きたくありません(笑)どんなもんだったか知りたい人は、個人的に聞いて下さいね。
っていうか、何故これを借りたかと言うと、目覚ましテレビの「早耳トレンド」に出演していた、石田香奈ちゃんがヒロイン役だったからです。個人的にかなり好みの子だったので、映画初主演を是非とも目に留めておこうと思っただけです。
主題歌にあるように、「イカ〜してる♪いかレスラ〜〜〜♪」と”イカ”なかったのは痛し痒し。
「カノン」など過激な映像表現で定評のある、ギャスパー・ノエ監督作「アレックス」を見ました。
この監督さんの作品も、見よう見ようと思いながら、中々手が伸びずにおりました。時間軸を遡る形でストーリーが展開します。恋人がレイプされ、復習に燃える男が、犯人を捜して夜のゲイクラブを奔走します。そして待ち受ける惨劇。精子が臭い立つような気色悪さ、性と暴力に満ちた陰惨な地下社会は、実は私たちの身近に潜んでいるのです。
復習する男は、激情に駆られ支離滅裂になっており、見ているこちらはどうしてそんなに怒っているのかと、最初は怪訝に思うでしょう。しかし時間を遡ることによって明らかとなる、2人が幸せだった頃の時間。視聴者はそこに感情移入をしますが、ふと気づけば、そこに映し出されているのは私たちの何気ない日常なのです。
冒頭の暴力シーンはリアルに、直接的に我々に衝撃を与えますが、ラストを見終わった後、前半の映像を思い出して、今度は背筋に悪寒を走わせるわけです。
ほとんどがハンディカメラで撮られているような、横揺れ縦揺れの激しい映像。思わず船酔いを起こしそうですが、切羽詰った恐怖感と、レイヴの陶酔感を同時に演出する表現形態でありますね。
なんかネタバレに近くなってしまいましたが、むしろこの作品はストーリーそのものより、映像の持つインパクトに重点が置かれているとは思うので、鑑賞に際してはさほど影響はないかと思います。

@ちぇっそ@