「オールドボーイ」にマンセー!

さすが梅雨の空といった感じで、一日中雨が降りっぱなしでしたね、今日のお天気は!外出できません!最悪です!
掲示板の書き込みを見て、間一髪思い出した私は、今日の燃えるゴミ収集にちゃんとハチの巣を出すことができました。大概、「後でやろう」なんて思った事は忘れてしまいがちですからね、助かりましたよ。凍っているとは言え、冷凍庫の中にずっとハチの巣が保存してあるなんて、考えただけでぞっとしますからね!(ハチの子だけじゃないってのが、またミソですな)
午前中は借りてたDVDを見てまして、その作品「オールドボーイ」が面白かったのです。韓国製作のサスペンスです。突如拉致され、15年間監禁されるという不条理な犯罪に見舞われた主人公。復習の鬼と化し、自分をこんな目に遭わせた犯人と、その理由を突き止めようと奔走します。しかしそれは犯行を企てた人物の思惑通り。主人公は、相手が仕掛けたゲームへまんまとはまってゆくのです。
15年の監禁におよび、半ば精神に異常を来たした主人公オ・デスの姿は、正に死刑囚の面持ち。それはまるで死を前に追い詰められた人間の本性を垣間見るかのようです。奥深い精神の闇に圧倒され、異様な緊張感を放つ彼の一挙一動から、いっときたりとも目がません。
オ・デスを演じた、主演チェ・ミンスクの迫真の演技が凄まじい!正に演技派。鳥肌が立ちっぱなしだったのは、冷たい雨の降りしきる今日の天気のせいばかりではなかったでしょう。
監禁から開放されたオ・デスの恋人となるミド役には、カン・ヘギョンというコケテュッシュな魅力溢れる若手女優さんが扮します。この彼女も良かったですね。まだあどけない表情を持ちながらも、実に大胆な演技を披露します。運命に翻弄される一人の女、その痛々しいまでの業の深さが、見るものを感情移入させるのに充分でしょう!
そして敵役、オ・デスの監禁を企てた首謀者イ・ジウンを、モデルなどの経験もあるというユ・ジテが演じます。またか!とお思いでしょうが、この方も抜群でした。洗練された佇まいの中に、執念深さと狂気が入り混じり、憎らしさ倍増、しかし海の底よりも深い深い恐怖感を漂わせていました。
もちろん脚本も良かったと思いますが、この絶妙の配役で、この作品の“勝ち”が決定していたと言えるでしょう。その他の登場人物も本当に実力派揃いで、考え抜かれたキャスティングには本当にうならされてしましました!
正直申し上げて、個人的にあまり韓国映画は得意ではありません。ロシア映画みたいに「大味」というのとは少し違うのですが(言いたくはないが実際そういうのが多いです、ロシアって)、韓国映画では、どこか感情に流され、ストーリーの展開が少し強引な作品が間々見受けられます。
もっともこれは、躍進勇ましい韓流映画界にあって、その情熱の持てる弊害と前向きにとらえることも出来ますが、まだ少し模索期であるかの印象も受けます。もっとも、まだ私がそれほど韓国の作品を見ていないということにも、関係しているのかも知れませんが。(だったらデカイ口叩くなって?ごもっとも!ま、日々の戯言ということでご勘弁を)
しかしオールドボーイに関して言えば、これぞ韓国映画の完成系とでも言えるような感じで、お国柄をうまく反映しながらも(ネット環境が整備され、ゲーム感覚溢れる志向も含めてね!)、良質のエンターテインメントを擁した傑作であると思いました。
最後にこのパク・チャヌクという監督さん、「JSA」なんかも撮った方だったんですね。すいません、見てませんでした。プロフィールを拝見すると、元々映画評論なんかをやっていたそうで、座右の銘か何か知りませんが、「映画好きのマニアックな精神を忘れない」ということも公言しているようで、それはこの作品にも良く現れていたと思います。
一度見ただけで、「ああ、面白かった。流行りの見たし、ハイおしまい!」なんて使い捨ての作品ではなく、ラストの秘密が判明した後でもまた何度も見てみたいと思わせる、真に面白味を秘めた映画であると言えるでしょう。作品全体の雰囲気もとても良いです。どこかその姿は、カウリスマキとかぶって見えるようであります。
確か前に「JSA」もビデオに録っていたような気がするので、これは後で見てみるしかないですね。いやもう、ホント、今回はしびれました。お手上げです。今後、このパク・チャヌク監督作品は随時チェックして行きたいですね!

@ちぇっそ@