病気マン名誉の負傷

今朝は7時前に起きて午前中に洗濯したりと、ちょっとした家事をこなしました。その後、昼前にカフェへと行きまして、遅いモーニングコーヒーなどを一杯。
昨今、禁煙志向の機運が高まる中、そんな外資本の受け売り健康ブームに当然反旗を翻す私は、タバコの吸えるエクセルなんとか(いつも読めないこの店の名前)に入店。軽く小一時間くらいタバコをくゆらし、本でも読もうと思っていたのです。
しかし思いのほか店内が込んでおり、仕方なしに私は、亭主と子供たちを送り出し、一通りの家事を済ませ、姑には「ちょっとご近所までお届け物がありますので」と言って家から抜け出した、家庭の愚痴をこぼし合っている2人の主婦の隣に座すことになりました。
軽くプレーンドッグも食べ終わり、おもむろに本を広げてみますが、隣の雑音が邪魔になり、思うように集中できません。それほどタチの悪い主婦連ではなかったのですが、実に良く喋る。まくし立てる言葉がいっときとして途切れる事がないのです。
しかも私の斜向かいに座る主婦に至っては、なんとも言えないフェロモンを放っており、ページの端から望む周辺視野へと、そのしなやかな肢体が飛び込み私の右脳を刺激します。
従って左脳だけで読まざるを得ない私は、すでにかなりのメモリを消費しており、オーバーフロー寸前の思考の中で、我慢しきれず途中でログアウト。2章くらいを読んだところで、そのカフェを後にしたのです。
いやぁ、さすが主婦パワー。周りをも巻き込んで地下熱を上昇させますね。あんたら、長生きするよ!と、そんな私が読んでいた本は、アレイスター・クロウリーの「ムーンチャイルド」でした。
といったところで本日渋谷屋根裏へと、我らが病気マン公演を観に行きました!折しも今日は、尊師27回目の誕生日!病気マン倶楽部会員である私が行かなくて誰が行きますか!?というか、実際のライヴハウスも実に閑散としたものでしたが!そんなことにもめげず、ライヴレポートを始めましょうか!
本日は全7バンド出演、病気マンは6番手であります。平日の普通ブッキング、私が到着した時には2番目のバンドがスタートするところ。しかしこの日の出演者は、ことごとく私の趣味ではなかったため感想は割愛させて頂きます。
ライヴ前に病気マンと話す機会がありうかがったところ、当の病気マン尊師も「この雰囲気は何年か振りです。何故呼ばれたんでしょう」と久しぶりのアウェイ決戦に困惑を隠せず、いささか緊張美味の様子でした。更に悪いことにお客さんも少なく、今後予定されているワールドカップ予選、日本vs北朝鮮戦における無観客試合を先行する形であったとも言えましょうか。
そんな逆境に立ち向かうべく、病気マンはステージへと上ります。正に夢芝居!一人芝居の切なさに、咲かせて見せよう宵のゲロ!暗転、そして病気マンの入場と相成ります。
全身血糊。真っ赤に染まった裸体、その頭上には渚のまぶしい砂浜を反映した(?)、白い2枚貝が乗っています。紅白病気マン、これで年末の国営放送のステージを目指すのさ!
開いた貝から「開けまして!(貝だけにね)」新年を祝う妖精さんが飛び出し、胃液の臭いが染み込んだリン粉を振りまきながら、N○Kホールの上空を飛び回るのさ!
大いなる夢を抱いた病気マン、いつものごとく鳴らないギター「花と夢号」を爪弾きながら始まった1曲目。
「なんちゃら、かんちゃら、シロポンポン〜♪」なんともメランコリックな情感に訴えるアクースティックナンバー!郷愁を帯びるその面持ちに、淡い青春の日々を思い起こさせます。
「一人になるとギャグがつまんないから、嫌い!」(振られてるじゃねーか!俺の回想か?)
続いて2曲目、「愛について。。。歌います」と言った割には、いつもの「お〜っぱい!お〜っぱい!」で始まるサプライズっぷり!病気マン・ファンの私はもちろん大合唱でしたよ。
そして途中から歌詞が変わっているのに気づいた私。案の定、終わってみたら「2曲。。。連続で、お送りしました。。。」と、心細げにボサっとつぶやく病気マン。でも、「バッキングトラックは全部一緒だったけどね!」と言う、無言の突っ込みが会場全体から発せられていました。
今日の血糊は特殊メイク用のラテックス製。つまり固まるとラバー状になるのです。準備の段階から既に数時間、全身に塗りたくったラテックスにより、皮膚呼吸を遮断された病気マンは息も絶え絶え。というか虫の息!?果たして迎えるラストナンバー、超大作「ペイン!」を最後まで歌いきる事ができるのでありましょうか!
「おりゃ〜!」と一声。取り出したみかんが宙に浮く病気マジック!今日は“芯”を外してしまったらしく、みかんの下から果汁が滴っていましたよ。(え?親指を突き刺してるだなんて、そんなこと、ありませんから!)
イカくんとサバくんも登場!そうさ、病気マンは一人じゃないんだ。皆に愛される病気マンにはたくさんの友達が!えーっとそれは、床と、壁と、あとは変温動物だ!
それからフロア下へと、花と夢号ごと飛び降りる病気マン。“屋根裏”なのに、“地下一階”にある渋谷屋根裏の床を大滑走!今日はお客さんがいないから滑り放題だね!ワッショイ、ワッショイ!
そしてステージへ舞い戻った病気マンが、おもむろにろうそくへと火を灯す。
「闇を照らせぇ〜!」たくさんの人たちに見てもらいたい病気マンは、フロアへ飛び降りみんなの近くで火を噴いたよ!PAの人たちにも、今日のライヴの“熱さ”を味わってもらいたいからね!
さあ今度は鎖を取り出した病気マン。鼻貫通!
あ、どうやらさっきの炎でラテックスが溶けて、頭皮から肩に掛けてのラバーがくっ付いちゃったみたい!皮がベロ〜ン!って、まるで「死霊のしたたり」みたいなグロテスクになってる!?うわぁ、これはキモイね!!!
さていよいよオーラス、ゲロのタイムサービスだよ!用意したバケツに吐く、吐く、吐く。。。?ん、今日は何やらいつもより量が少なめだぞ。実は公演終了後にうかがったところ、「今日は“仕込が”甘かった」らしく、思うようにゲロが出なかったそう。しかし裏を返せば、これぞリアルゲロ!中身の濃さでは普段に負けない粘着質成分を含有しているぞ!
もちろんこれだけでは終わらない我らが尊師。嘔吐物の詰まったバケツを手にフロアへと降下。
っと、ここでハプニング発生!床で滑った病気マンは、思わずバケツの中身をぶちまけてしまった!でも、今日は粘着質で少量のゲロだっただけに、“さほど”こぼれることもなく事なきを得ます(?)
今回のトラブル、確かに“床”で滑ってはいるのですが、我らが病気マンはそんじょそこらのお笑い芸人なんかとは格が違います。バナナを踏んづけて転ぶなんて低俗な真似はしません。
「ブンブンブブブン!バナナ!」「1本」「バナナ!」「2本」「バナナ!」「3本」
「イーカ!」「4匹。。。ブッブー!失格!」
イカは“4杯”です!」
そうです、どうやら先ほど投げ捨てた友人のイカくんを踏んづけた様子であります!(終演後の現場検証により私が確認済み!)
今日もグルグル、明日もグルグル!「センター街を、ゲロにまみれて帰るがいい!」壮絶なる余韻を残して、この日の病気マン公演が終了したのでした。
ステージから降りた病気マンに挨拶すべく、彼の元を訪れると、脛から出血しています。どうやら先ほどの転倒でフロアの段差に打ち付けた模様。
「いやぁ、久しぶりに怪我しましたよ」とのたまう病気マンに対し、「つい先月、自分で刺した頬の串、あれは怪我じゃなかったのか?」との疑問は発せられることなく、私はその質問をスタマックの奥深くに飲み込んだのでした。
というわけで、比較的サクっと終了した今回のライヴ。(レポ読むと違うって?)一言お祝いを言おうかと思っていたのに、誕生日だという事をすっかり忘れていた私は、普通にさよならと言って帰ってきてしまいました。こんな私ですが、どうぞヨロピク。

@ちぇっそ@