国際女性デー

今日は新宿にある、「ノアノア」というところへ行って来ました。国際女性デーということで、フェミニズム運動の一環として行われているイベント。出演したバンドは、松本からやてきたという女性トリオP-HEAVYと、元穴奴隷イライザ女史率いるTHE BITZ。その他に、イライザ女史によるSMショー及び、縄縛り教室。ビデオ上映にディスカッションという、ある種アカデミックな趣向を凝らした文化総合的なイベントでもあったのです。
先ずは、松本からのバンドP-HEAVYの演奏からスタート。ガレージ/ガールズズポップといった音楽性で、時々絡む不穏な音階のギターアンサンブルに、純真無垢で真っ直ぐなヴォーカルコーラスが乗っかってきます。
地べたに座って聴いている人もおり、喫茶店のようなお店の雰囲気と合わせ、正にアングラなコミュニティーを形成している感じ。まったりとした空間の中で、吹けば飛んでしまいそうな、はかない感じのバンドが演奏している。
プレイヤーと客席の境は曖昧で、お互いがお互いの存在を確かに意識できる場所。とてもリラックスしていて、居心地の良い空間です。
途中ドラムとギターがパートを交替し、まるでコンサート中に何度もパートをチェンジし、各人が実に優秀なマルチプレイヤーだった、往年のプログレバンドを思わせましたが、こちらは奏者変っても演奏変らず。ひたすら純粋で、生一本なガレージポップが鳴り響いていました。
さて次の催し物までの間、同行したキタ氏としばし談笑。物販には手作り感覚の小間物がずらり。音源なども各種取り揃えられておりますが、私らにはことごとく見慣れないものばかり。普段、黒い商品にばかりお目にかかる私にとっては、色とりどりな品物が並ぶ様子は、さながらちょっとした縁日のよう。このファンシーな感じが、また良しです。
次は確かイライザ女史によるSMショーのはずですが、なかなか始まらない。特にアナウンスもなく、ほったらかしな進行状況ですが、システマチックな都会の雑踏の片隅で別次元に放り込まれたかのような、独特な「間」がまたたまりません。ほとんど「友達の家」感覚ですね。
さあそうこうする内、床にはシーツが張られ、おもむろにSMショーへ突入してまいります。首輪を付けた奴隷が女王様に導かれ、幸薄そうな女子が身にまとうのは黒のTバックのみ。畜生のごとくその醜態をさらしながらの入場です。
女王イライザ様は全身黒のエナメルスーツ。髪には真っ赤な羽飾りを付け、このような過激なコスチュームを“普通に”着こなしております。さすがカリスマ女王、これが似合う人などそうそうお目にかかれるものではありません。感服致します!
床には数種のムチ、そして拘束用の麻縄が置かれています。その中から、お気に入りのムチを拾い上げた女王様は奴隷のお尻に向かい「パチン!」と一振り。そしてまた「パチン!」と。肉付きの良いぽっちゃりとしたお尻は実に叩き甲斐がありそう。しかし私が予想していたよりかなり強めに叩いています。見ているこちらが心配になってしまいます。
そしてお次は縄を取り出し、手際よく奴隷を締め上げて行きます。さすがこなれた手つきで、見る見るうちに亀甲縛りが出来上がりました。こうして生で縛りを見るのは初めてでしたが、実に職人的な手つきに感心することしきり。私は「うーん」と唸りましたが、もし潜在的な奴隷候補さんが来場していたら、女王様の手練に「じゅん」と下半身を湿らせてしまったかも知れませんね。
その後もロウソク、尻叩きと続きましたが、概ねSMとしてはソフトな内容で、主従関係を「パートナー」と呼ぶように、むしろそこにはお互いの信頼があり、愛情すら感じるものでありました。しかしそうは言っても、本物のショーを間近にして、その迫力にはやはり圧倒されてしまいました!
さてお次は間髪入れず、どうやらビデオ鑑賞会が始まった模様です。先ずテレビ画面に映し出されたのは、全身スッポンポンの男女。「ジ○ンでーす」「ヨ○コでーす」「2人合わせて、ジョ○&ヨー○でーす!」と、世界一有名なヒッピーカップルを模して登場した、夫婦漫才からスタート致しました。あられもない姿を隠そうともせず(かろうじて局部にはみかん?の金隠し)、関西弁でまくしたてる2人のグダグダ漫談。いえ、嫌いじゃないです。
続いて、「MANKO踊り」の教則ビデオ。工事用メットを被った婦女子が、芝の上で頭上にメロイックサインならぬ、OMEKOサインを形作り、崩れた体育座りでひたすら「MANKO、MANKO、MANKO!」と前進してゆく様はかなりイタイ感じです。教則用だけに各所でスーパーが入りますが、体得する為のレクチャーがいちいちアホです。
そして他にもいくつか小作品があり、中でも圧巻だったのが、名づけるなら差し詰め「下等生物たちによる 新宿3町目裏街道物語」といったもの。吹替えは全て外国人による“片言”の日本語。ちょっとしたテープの編集がされ、時々逆回転のようにも聴こえる異様なものでした。
主人公はナメクジくん、彼は夜のお店で春を売って生活しています。プライベートの夜に自分の彼女へ向かって悩みを打ち明けます。弟は性倒錯者。自分のことを純粋に女の子として見てくれる彼氏が欲しいというのです。
弟はオレンジ色のスライム、彼もお店で働いています。お尻の締まりもばっちりです。そこでナメクジ君は店の常連、ニホンザル君に相談します。「今度ォ 弟ノォ オ店ニィ 行ッテ上ゲテ クレナイカァ?」懸命にお願いするナメクジ君の情熱に打たれ、「アンタガァ ソンナニィ言ウナラ チョット 行ッテモイーデース」快く承諾してくれたニホンザル君。
−お店で−
「・・・ア、アアァ。。。」
ニホンザル君、スライムに飲み込まれています。(襲われているんじゃないのか、これは?)どうやら意気投合した2人はめでたく結ばれ、仲の良いカップルとして成立しました。しかし問題がひとつ発生しました。
なんとニホンザル君は巨乳好き。彼の理想の女になる為、弟はまたもや豊胸手術を受けようとしているらしいのです。今夜もプライベートのベッドで頭を悩ます、ナメクジ君でした。
さて、上映会も無事終了。ここでイライザ様による、SM拘束教室が開かれました。縄の結び方をレクチャーしてくれる女王様。基本の技術をしっかり身に付ければ、これでもう食いっぱぐれることはありません。今日のお勉強を糧にして、明日からは性倒錯のデブオヤジを締め上げてやりましょう。いやぁ、為になるなぁ!(いや、マジで!)
続きましては女性デーということで、性別二元論やらなんやらに関するディスカッションです。とは言いましても、相変わらずみんながそこら辺でダベっているだけのようです。いや待って下さい。確かに話している内容は性倒錯者の自己解放だとか、かなりディープなものです。
またしてもほったらかしの感じですが、学校の昼休みのような居心地のよさ。まあ、別にいっか!私はキタ氏と普通におしゃべり。SMショーだけ目当てに単独で来た人はちょっと辛いかもね。
そして本日ラストは、イライザ様率いるTHE BITSのライヴで締めくくりです!女性トリオ。ドラムを演奏するイライザ様は、サイドが編み上げのセクシーなショートパンツ。ポップなガレージサウンド。高音がキャンキャンと響くヴォーカル。演奏時間は短かったですが、キュートでビッチな楽しいひと時でした!
なんだか不思議なイベントで、正直面食らった部分もありましたが、肩肘張らずのんびりまったり。手作り感覚の(実際カウンターのフードのおにぎりやケーキなど、本当に手作りだった!)かわいらしいイベントでありました。

@ちぇっそ@