横浜中華街膝栗毛 −その① 罪の無い妄想−

本日は病気マンに会いに行くため、本八幡からはるか西方に位置する横浜中華街へとやってまいりました!私の地元のお隣り、市川から横浜まで総武快速線が通っており、ちょっとした都会のショートカットとなっています。
しかし未だアインシュタイン相対性理論が支配する現在、とても光の速さでピュー!ってわけにも行かず、丸一時間程の乗車。お尻が痛いです。そして更にそこから、みなとみらい線で4駅。結局、片道1時間半かかったでしょうか。遠いっすね!
しかし新区画整理だか都市開発だかが進んだお陰で、みなとみらい線はとても綺麗。赤レンガ造りだったり、近未来風だったりと、各駅ごとに趣向を凝らして建設されております。
普段から渡辺篤史氏(言わずと知れた「建物探訪」ホストである!)を崇拝している私にとって、正に「うれしいねぇ!」といった具合に、渡辺氏がお風呂場の扉を開ける、私は次の駅に到着する、その度に新たなるサプライズが沸き起こります。
しかし本当に美しくて、例え走行中であっても、とてもこれが“地下鉄”であるとは思えないほど、閉塞感や薄暗さなど微塵も感じませんでした。いやこれこそが、地下鉄先進国ロシアに対抗する、正しい日本の地下鉄のあり方だ!などと思ったりもして。
地下鉄も文化遺産として、決してひとからげにすることなく、各駅ごとのステイタスの従事に勤めてもらいたいものです。
さて実を言いますと、初めて訪れた中華街。さすが噂に違わぬ異国情緒溢れる街で、気分はすっかり天津飯!中国4000年で最大の発明、チャイナドレス好きの私といたしましては、そこかしこに見目麗しいシルクの光沢、神秘的な深入りスリットの魅惑を期待して、道行くご婦人や通り過ぎる露店を見回しておりましたが、残念!今日はそのような貴女には出会えませんでした。
これならむしろ池袋辺りのギャバクラ地帯の方が、頻繁にチャイナドレスとお目にかかるチャンスがあります。しかしこちらは本当に“異国の”恋人たちで、「チョット オニサン、オニサン!新シイ娘 入タヨ!3000円ポッキリ、入ル ヨロシ!」なんてポン引きされるのがオチ。
浅黒い肌、ムチムチの太ももなんかが、こちら系がお好みの方にはたまらない魅力となって映るのでしょうが、個人的には「いや、何か違う。何かが違うんだ!」と、葛藤するジレンマの中で、せめて近くを歩いている純和風の娘を眺め、瞬間その隣りの豊満ボディーへと目を移す。
そのようなザッピングで、せめてもの慰めを求める(しかしせいぜい3回まで)、そんなひとり身の悲しき習性に、ありおりはべり、いまそかり。
そんなクダを巻いている間に腹も減ってきました。中華街に来たらやはり何か食うべし!しかし時間も押し迫っていたので本格中華を頂く余裕もなし。途中で見つけた何やらファーストフード風のお店で、簡単飲茶セットを食しライヴハウスへ向かいます。
スタートは午後6時、横浜LIZARDへレッツゴーです!

Ⅰ番手はこの日の主催である、DECO-SOULからスタートしました。ストロングなデス/ハードコア・スタイルで、スラッシーなドラムの2ビート、硬質でブルータルなギターリフが心地よく響きます。ベース無し、テンガロンを被ったヴォーカル氏はちょっとお洒落さんですね。地元の浜っ子たちも大挙押し寄せ、今日はのっけから大した盛り上がりです。
キャパが300人以上というこの会場、さすが設備がしっかりしているようで、グラインド系のバンドにありがちなベースレスであっても、ギターの音圧だけでかなりの迫力が出ていました。バスドラも良く聞こえ、各楽器の分離が良く、大音量であっても非常に聴きやすい会場でした。
2番手はGATES OF DOPEという、エモ−ショナルなスラッジ・バンド。ステージに上がった際、ベースヴォーカル氏が「BONGZILLA」のTシャツを着ている時点で気がつきましたが、やはりそうでした。ベースのアルペジオで始まり、反復する単調なギターリフ、徐々に音数を増して行くドラムなど、正にドゥープでオーヴァードーズな世界が展開されます。ギターがノイズへと変容し、不規則なドラムのフィルインが知覚障害を引き起こしそうです。恐らく全1曲、なかなか渋いバンドでした。
3番手病気マンは、あまりに長いので別日にご紹介!
さあ病気マンの後に登場するという、この日一番過酷な運命を背負って迎えられたのは、お下劣なことでは人後に落ちない、MANKOLOVERであります!全身タイツマニアにはたまらない黒のボディースーツ。そして甘えん坊プレイマニアにはたまらない、おむつ着用と、こちらも負けじと変態っぷりを醸し出しています。
「病気マンには負けねえよ!」と一発かましてライヴスタート。どうやらドラムが脱退したらしく、メンバーはヴォーカルとギターの2人のみ。空席となったドラム・スツールには、ダッチなワイフが鎮座ましております。MORTICIANばりの打ち込みブラスト。マイクをガンガン脳天へと打ちつけながら吼えるヴォーカル氏。実は地味に痛そうですが、「ゴツン!」と音が出るだけ救いがあります。
やがて居たたまれなくなった(?)ヴォーカル氏は、遂にその禁断のヴェールを取って剥がします。おもむろに、おむつへと手をかけた彼が「サッ!」とマニアック大人用パンツを脱ぎ捨てると、そこにはなんと!局部をくり貫いたタイツ穴から、本物の“甘えん坊”が顔を出しています!会場にいたご婦人方から、思わず「カワイイ!」という声が上がるはずもなく、“ちんちんブラブラ”な状態で、正にその姿は「ハレンチ仮面登場!」を地で行くものでした。
いやぁ実はこの日、病気マンの次に注目していたバンドだけに、その期待に違わぬ変態っぷりに満足至極!MCの間、「チ○コ!マ○コ!チ○コ!マ○コ!(菅沼孝三@3連譜の基礎練習かこれは)」と連呼する様子は、さながらOVERKILLの「FxxK YOU!」の掛け合いを彷彿とさせ、「お前ら、バカになれ!」的な非常に爽快感のあるものでした。いやぁ、いいモノ(決して“甘えん坊”のことではない)を見せてもらいました!
さてさて続きましては、個人主義激情の登場であります。野人メイクや、半ケツ出しといった風情で、またしても変態バンドが続きます。こちらのバンドさん、何度か見ているのですが、モダンヘヴィネス風味もある骨太なバンド。音楽自体は比較的まっとうな気もするのですが、メンバーが、ムチというか帯で叩かれたりと、奇抜な演出で知られていますね。ロスのクラブ辺りで演奏してそうな野蛮さがあります。
そして6番手に登場は、GRIDLOCK!いやもう、やっと出てきたまともなバンドに、ゲテモノ好きな私も思わず安心してしまいました!(笑)いつも通り、カッコイイです!今日はヴォーカル氏、頭にねじりタオルというドカチン・スタイル。疾走感のあるビートで、よもやモッシュの嵐が止まないほど。ドラム氏の“つま先立ち”のブラストも冴え渡り、特に本日など、スティックがスネアの打面に対してほぼ垂直になっていました!菜箸で1匹づつアリをつまみ上げる感じ、と言えばその様子がお分かりになるでしょうか。でもそんなこと、誰もやりませんけどね!
さて今夜の大トリはGeneral Candle Service!初めて聞くバンドでしたが、どうやら地元のバンドさんのようですね。つがいのバスドラを用意し、本当の“ツーバス”を操るドラム氏は既に上半身裸。どこか324のS氏に似た風貌です。ギターは1本、専任ヴォーカルが2人という編成でした。なかなかテクニカルなブルデスで、曲展開にも熟練の妙があり、聴いていて全く飽きさせない。ブラストとミドル・パートとのバランスが良いですね。本当にカッコ良かったです!ドラム氏のスティックワークが小気味良く、私も思わず前の方へ見に行って、モッシュに巻き込まれてしまいました。どうやら片方のヴォーカルさんが今日で脱退ということで、地元の浜っ子が集い、その有終を見納めに来ていたようです。大変な盛り上がり!硬派で、非常に好感の持てる良いバンドでした!

@ちぇっそ@