いつか語ってやろうとは思っていたが

えーと、ナイススティックって、新製品が出たんですね。夕飯を買いにコンビニに入った私は、“そのナイススティック”を見た瞬間、どうしても食べたくなってしまいました。たまごサラダがサンドされた商品です!
でも本当はこれを買ってしまうと、残りの夕飯お惣菜パン・セレクションが難しくなり、食物のアミノ酸バランスとエンゲル係数、そして店員対応の「センスの悪い客に見えないか?」といった対面を繕う上で、非常な困難が予想されたのです。例えば、チキン・サンドイッチを買っているのに、何故レジ横のフライドチキンをまた頼むんだろう、この客は!?食生活悪ゥ!といったこと、等々。
もっとも、コンビニで夕飯買っている時点で食生活、乱れてますが。
それはともかく、案の定迷いに迷いました。今手にした、たまごサラダ版ナイススティックを手放せば、私の未来には大いなる可能性が拡がることでしょう。しかしどうにも、この“しょっぱい味”のナイススティックをお試ししたくて仕方がなかったのです。
えー、ただ今、疑問に思われた方などいらっしゃいますでしょうか。甘い菓子パンに対し、カレーパンなど、3時のおやつという範疇を越え、立派な食事といえるこのような惣菜パンを称して、“しょっぱいパン”と例えました。もしかしてこれって、私の田舎でそう呼んでいるだけでしょうか?まさかぁ、そんなこと、ないですよねぇ〜!
それはともかく、このナイススティックにはいつも心動かされます。一番スタンダードな元祖ナイススティックには、私の子供時代の思い出が詰まっています。「ほら、お兄ちゃん。(長男なので)お腹空いたら何か買ってきなさい」なんて、初めてのおつかいで買ってきたのがナイススティックだった!というくらい、本当は違うけど、思い込みでそう記憶してしまっているほど、このナイススティックにはお世話になりました。
私の高校の時分、まだ週休2日制度はなく、土曜の半チャンで母親の美容室へと帰ってくる。母親の店は駅に近いので、いつも一緒に通勤通学していたのだ。
すると食べ盛りの私に早速お小遣いを渡し、「お昼買ってきなさい」と言われる。
私は、「三角屋」と言われる近所の商店に行き、そこでサンドイッチや、菓子パンを買って戻る。中でも私のお気に入りはナイススティックだった。
当時から、「惣菜パンマイスター」と自称する私にとって、食後のデザート替わりのとなるこの菓子パンは欠かせない要素。基本のパターンがあり、それは「しょっぱいパン、しょっぱいパン、甘いパン」といった具合に2体1の割合になるよう、その日のベストセレクションを組み合わせるのだ。
日によって、「“大きい”サンドイッチ、おにぎり、甘いパン」となることもあったが、ここでのポイントは“大きい”サンドイッチは、通常の“しょっぱいパン”の1,5個分として換算されることだ。
従って、その乱れたバランスを保つために、ここで(私の中で)“しょっぱいパン”半個分と換算される、“おにぎり”という付加要素が合流してくるのである。
何かが間違っているという指摘は一切受け付けない!
あくまで見た目の“体積”で計算しているので(パン酵母が膨らませた生地内の隙間は圧縮しない!)これで矛盾はない。これが、惣菜パンマイスターたる私が提唱する、「コンビニお惣菜パン−トライアングル定数」である。(これは手作りパン屋さんでも通用する、万能理論だ!)
ちなみに、既にわかっていると思うが念のため、“小さい”サンドイッチは、通常の“しょっぱいパン”1個分として計算している。ここで言う、“小さい”サンドイッチの定義とは、定価200円以下のものを指している!
おっと、思わず途中から文体を変えてまで強く語ってしまいました。まあ最近はこんな机上の空論(?)などお構いなしにコンビニで買い物したりしています。
しかしですね、この元祖ナイススティックの、カスタードとも、増してやホイップクリームとも言えない、ミルクが凝縮したような、バタ臭い独特のクリームのまったり感が、一口食べると、青春日の思い出と共にお口いっぱいに拡がります。いいですよねぇ。味もまた、過去の記憶を呼び起こすひとつの触媒なのですね。
でぇ、たまごサラダ味ナイススティックの賞味の感想はどうだったかですって?いやぁそれが、ナイススティックの新製品にはいつも思うんですが、やはり、元祖は超えられない!
いえ、結構好きな別種のナイススティックもあるのですが、忘れてならない、あのなぜか嬉しくなってしまう出来具合のパン生地と一番愛称が良いのは、やはりあの独特な風味のクリームなんですよね。
でもやっぱり新製品が出るとチェックを入れてしまう。あのパン生地とのミスマッチ加減を味わう、という楽しみ方もあります。って、マニヤックですかね?

@ちぇっそ@