かき食う客

春へと向かう午後の日差しが湿り気を帯び、どんよりとした気だるさをかもし出す。
徹夜明け。私の鼻が臭うのは、風呂も入れず汗臭い私の体臭なのか、それとも隣りの肥料工場から立ちこめる、爆発的に酵素を分泌し、バクテリアがせっせと腐葉土を生成する腐敗臭なのかもはや判断のつかぬところ。
汚れ仕事でもないのに体は汚れたまま。執拗なる人身搾取の傀儡とされ、心も闇でくもってゆく。そんな救いの無い煉獄に閉じ込められ、今日もまたひとり、帰っては来れぬ、流浪の旅路へと我が身を滑落させるのです。
そうです、寝たらダメだ!寝たら還って来れない!「まぶた重量上げ選手権」に出場したら、間違いなく優勝できる自身がある。そんな必至の形相で本日の業務に立ち向かっております、いえ立ち向かえません!いただけません!
腐れた街、ここ二俣新町に2日間在住しているワタクシ、ちぇっそでございます。
そんなわけでですね、いやね、少しは寝れましたよ。でもね、途中までは良かったんですが、途中からウチの上司も合流しまして、2人して川の字なって雑魚寝。しかしこの上司が立て付けの悪いドアをきちんと閉めてなかったものだから、足元からスースー。腰の方まで寒気が伝わってきて眠れるどころじゃない。
私も寝ぼけていたものだから、ドアの方をちらっと見て、「あれ?ちゃんと“閉まってる”なぁ」なんて見間違い。業務の始まる時間に起きてみて、初めてドアが半開きになっていることに気付く始末。日頃の怠け癖がこんなところでも発揮されるなんて、いやはや、なんともお粗末でした。
ウチの上司は目覚めなかったのかって?だって持参の毛布を頭から被ってますもん!こんなとき車通勤が便利だと思いますよ。でもね、私だってこんなときのために、きちんと対策はとってあるんです。少しでも暖かいPCサーバの近くにダンボールを敷いてまして、これが実に効果的だということが先日判明し、その輻射熱を利用して安眠を得ていたのですよ!
まあまるでテレビに上って暖をとるネコの習性のようで、これで私が一体どんな過酷な状況に追いやられているかが、ご想像できるでしょう。しかしながら、ドアが開いていたんじゃそれも無駄な努力。寒気と暖気は、暖かい方から寒い方へと対流の流れがあり、それにつれて温度も下がって行くのです。つまり、とっても寒ければ、いくら暖房が暖かくても、寒い方が寒ければそこは寒くなって行くのです。分かりますか、この物理法則がっ!
おっと取り乱しました、すいません。というわけで、昨晩出前でとったカキフライ定食大盛りは食べ過ぎでした。でかいカキでずい分と食べ応えがありました。あるある大辞典なんかで、冬のカキこそ当りやすい!なんてやってましたが、とりあえず私は元気です。食品衛生法に適ったお店で本当によかったです。
さきほど昼寝したら夢を見まして、MORQUIDOでライヴをしようとしている場面です。場所はどうやら中学か高校の教室ですね。ステージには2系統の機材がセットされ、スムースなセットチェンジができるようになっています。
私らの出番はこの次。今はButcher ABCが演奏を始めようというところ、私は片方のドラムセットに座り出番を待っています。
するとButcherのライヴが始まりました。ギターのイントロ、「あ、この曲知ってる!」と思った私は、ドラムセットに座っていることも忘れ、ドラムインするパートから“エアドラム”を始めてしまいました。しまった!と思った時には既に遅し、Butcherと一緒に演奏を始めてしまい、思わぬツインドラムButcherとなりました。
4小節くらいで止めたのですが、いきなり無し崩し。「いやぁ、間違えちゃったぁ。(曲そのものを間違えたわけではない)」とメンバーに謝ると、今日はマスク無しのButcher A氏が、「分けわかんねぇよ」と半笑いで一言。
夢とはいえ、なんとも恥ずかしい失態にしばし困惑。しかしですね、あの曲、よく考えてみたらMORQUIDOの曲でした。間違えたの、君たちの方じゃないですかぁ!って、夢に向かって突っ込んでもしょうがないですねぇ。

@ちぇっそ@