刺馬 −ブラッド・ブラザーズ−

いや全く、連日こう寒くちゃかないませんね。マイナス35度の寒波が上空を旋回しているんですか?まるでシベリヤ並ですね。そりゃお寒いわけなんでして、本当ならもっと厚着して、私が所有している一番暖かいモッコモコのダウンジャケットなぞを羽織って出勤したいところなのですが、唯でさえ混雑する通勤ラッシュ、それを考えると無闇に電車の中で体積が増えるような真似は出来ない、と。
もっともこの際他人様の迷惑なんぞ顧みず、自分の健康のためにきちんとした防寒を致したいところ。しかしまあそうは言っても、実際的な寒さ対策などは嵩じられても、世間様から浴びせられる冷たい視線には、いくら厚着をしようとも逃れようがなさそうであります。世知辛いですね、私が一体何をした?ってなもんですが、たんなる被害妄想に過ぎませんか。
今朝はいつもと違う、西船橋の喫茶店に初めて入ってみました。コーヒーとトーストのモーニングセットを頼んだのですが、他の置お客さんの注文を見て、あと100円足すだけであんな豪華なサラダまで付いて来るのを知りました。ま、今日のコレはお勉強代ってことで。
というわけで、借りたDVDは返却日ギリギリまで返却しない!というわけではありませんが、今夜になってやっと見終えた、チャン・チェ監督の武峡映画、「ブラッド・ブラザーズ」の巻です。
いやぁ、久々に見ましたね、クンフー映画を!昔は良くこういうのを見ていた気がするのですが、最近はあまり見ていませんでした。正に拳と拳がぶつかり合う肉弾戦、華麗なる拳法の妙技を堪能できます。
なんと今をときめくジョン・ウー監督が製作スタッフの中におり、このチャン・チェ監督から大いなる影響を受けているとのこと。さすがにこの作品が撮影された70年代当時において、ワイヤー・アクションなど使用されておりませんが、ひとつひとつの動きの華麗さ、またはアクションの見せ方にその影響が見受けられるでしょうか。
確かに現代ほどのスピード感というものはないかも知れません。しかし、実に緻密に計算された立ち回りの手順、それを捉えるカメラアングルなど、現在ハリウッドまで進出したクンフー・アクションの基盤を作り上げていたと言えましょう。
主演がデヴィッド・チャンですね。この方、とても有名ですよね?すいません、あまり香港/中国映画には詳しくないもので。なるほど、若き日のデヴィッド・チャンはどこか窪塚洋介に似て、人を喰ったような微笑を湛え、いかにもやんちゃ坊主といった趣があります。しかしながらきちんと芯があり、決めるところはバッチリと決める。そんな情熱も大いに感じられる、現代でも古臭さを全く感じさせない、なかなかの色男ではありませんか!
そんな楽しみ方も出来る、噂に違わぬクンフー映画の傑作であります。
えー、ストーリーですか?とにかくよくある感じの、固い兄弟の契り、成功、裏切り、そして復讐。といった、クンフーの妙技を存分に堪能させるディテールが満載の、武峡映画の定石を踏まえたものである!とだけ言っておきましょう。
そしてDVDを返して来て、ちょっとひと回りのつもりでもって、ブックオフへと入店した私は、\105文庫コーナーにて、スティーヴン・キングの奥さん、タビサ・キング「埋葬された涙」と、梶尾真治ドグマ・マ=グロ」を購入して家路に着きました。さてさて、こんなに買って、一体いつ読めるというのでしょうか。

@ちぇっそ@