メリークリスマス in ロシア

というわけで、本日はロシア正教的にクリスマス。もちろん新年は1月1日に明けるわけですが、最近は西洋式に習い12月24日のクリスマス・イヴに始まり、1月14日のいわゆる旧正月までイベント目白押しとなるわけです。極寒の北国、そうでもしなきゃやってられないってところでしょうか。
そんなこんなで酒を飲む理由のできた私は、昨晩無性にワインが飲みたくなり、近くのコンビニでイタリア安ワインのハーフボトルなんぞを買ってみる。え?1月6日じゃあ、クリスマスも正月も関係ないって?まあ、そこんとこは酒飲みの悲しき性ということで、多めに見ていただきましょう。
家に帰り、早速世界ソムリエコンクール優勝の田崎真也氏がセレクトしたワイングラスに注ぎ(なんというか、単に去年ボジョレー買ったときのおまけ)、その芳醇な香りに舌鼓を打ち。。。と思ったが、かなり淡白で口に含んでもほとんど味がしない。安価なハウスワインなので飲みやすい仕様だったのだろうが、やはり私みたいなちんけな人種にワインの味など分かろうはずもない。と、その格式の高さを前にして、赤ワインのタンニンの替わりに、小さな挫折を味わった一夜の思い出。
何せハーフボトルなので、上品さのかけらもない私はあっという間に飲み干し、これではまだ足りぬ。酒をくべろ、もっともっと酒を運んで来い!と、罪深き肝臓の欲するままに、酒への欲求が深まるばかり。しかたがないので手元にあったロシア産、モスコフスカヤというウォッカを取り出す。本当は平日にこんな強い酒は避けたかったのだが、今からまた買出しに行くのもおっくう。再び、オンザロックで始めてしまう。
ひとしきり酔いが回ってきたところで、小さな石油ストーブでどうにも寒さの解消できぬ我が家に業を煮やし、ここはひとつ身体を動かし体内から暖を取ろうではないかとの結論に達する。積まれたCDを物色、音楽で踊りあかそうというわけである。
テスタメントにクリエーター、コロナにイントゥルーダーにウォッチタワー。いかにも甲斐性のないオールドスラッシュばかり。別に進歩がないというわけではなく、単に聴きなれた音楽で日頃のストレスを解消しようという心の表れ。
さてさて、そうこうする内に少し眠くなってきた。ちょっと横になって一眠り、なんて思ったのも束の間、枕に頭を沈めた瞬間メールが入る。そういえば今日、今度MORQUIDOで演るためのカヴァー曲のテープを、ギターのI.N.R.I.氏が手渡しに来ることになっていた。津田沼から国分寺への帰りがてら本八幡へ立ち寄るのだ。クソ寒い中、むくむくの防寒をして駅へと向かう。
改札前の柱の影でしばらく待っているが、まだ彼は現れない。そこで少し身を乗り出し辺りをうかがってみる。すると正に数メートル隣り、私が入場してきた出口方面に対して彼が立っていた。いつの間にすれ違ったのだろう。まあ、そんな不可解な部分を残しながらも、テープを受けとり、今後の予定などについて少し立ち話をする。
ところが、なんというのだろうか。滅多に待ち合わせなどない地元本八幡で、こうして駅前で、マルキド氏セレクトの超ドマイナーなグラインドコアの話をしている自分らの姿に、いい加減酔っ払いの私は、何故だか笑いを抑えることができなくなっていた。
終始にやけている私に対し、「何がそんなに可笑しいのだろう、この人は」と、I.N.R.I.氏が思っていることは推測されるが、しかし実のところそんなデリケートな人間観察などできない彼のこと、あまり深くは考えていないことも予想される。何せ一緒になってにやけているからだ。まともに目を見て聞いていられない自分に可笑しさ倍増、結局何を話しあったかあまり覚えていない状態で彼と分かれた。
思考が鈍感になった私は少し寄り道、駅前のブックオフへと赴く。105円文庫コーナーをあたってみると、スティーヴン・キングの何点かが落ちている。そういえば「トミーノッカーズ」の下巻を買いそびれていたことを思い出し、早速その1冊を捕獲。他にも何冊かあり、果してこの中でまだ買っていないものはあったかと記憶をめぐらす。
いちかばちか、「ランゴリアーズ」だけ手に取ることにした。帰宅後、確認したところ読みは当り、「ニードフルシングス」は既に購入済みであることが判明した。
帰りの道中で酒の補充をしていこうかと考えたが、コンビニで物色した限りでは自分の要望に適う品物を発見することなく断念。もっともまだ平日であるし、この後にまた3連休も控えている。51歳で監督デヴューを果たしたロシアのヴィターリー・カネフスキーの処女作品「動くな、死ね、蘇れ!」にあるように、「飲むな、買うな、真っ直ぐ帰れ!」と、現時点であまり飛ばし過ぎることのないよう、天からの啓示があったのかも知れない。
そうこうする内、アパートへ帰りついたのが夜も11時過ぎ。私は慌ててテレビを5チャンネルに合わせる。するとどうだ、今日は「ライヴ・イン・ジャパン特集」、今正に伊藤政則により昨年の「スラッシュ・ドミネーション」の映像が流されようとしていた瞬間だった。
間髪いれずDVDレコーダの電源を入れる。ギリギリセーフ。フロッサム・アンド・ジェットサム、そしてデスエンジェル、オーヴァーキルと、ハードディスクに録画することができた。
ブラックモアズ・ナイトも放映したが、これは画像が悪過ぎるので、もしかしたら後で消去することになるかも知れない。いや全く、これだからロックシティはいつでも気を抜くことができない。いつ何時、スラッシュ特集や、アンジェラ・ゴソウが登場するか分からないからだ!
安心した私は番組終了後、風呂に入りそそくさと眠ることにした。明けて本日7日、二日酔いで頭が少し痛い。

@ちぇっそ@