一句「名作は、何度見ても名作だ!」

昨日ですね、日曜日「戦場のピアニスト」やってましたね。
いやぁ、これぞ正に映画!って感じで、とっても感動的な作品でした。劇場公開時にちゃんとスクリーンで見ていたのですが、またしばらくして、こうして自宅のテレビでじっくり見るのもまた良いもんです。
いつ果てるとも知れない戦渦の中、どんどん追い詰められてゆく切迫した様子が、リアルに表現されています。もの凄く地味で過酷な生活を、一般市民の目から見た戦争、という視点で描き切っています。
前に、ジョシュ・ハートネット主演の「ブラックホークダウン」なんかもご紹介しましたが、こちらは戦火の最前線。銃砲轟く苛烈な激戦を描いたものでした。
どちらも戦争。こうした歴史の上に、現在の我々の、曲りなりにも平和と呼べる状況が存在していることに、感謝するというか、いや逆にこの平和すら束の間の休息に過ぎない幻想ではないか、という思いの否めないところ。
恐ろしいですね。どちらも息が詰まるような緊迫感があります。まあ、それだけどちらの監督も作品に賭ける思いが強かったから、これほど力強いものが出来上がったのでしょうが、どちらも実際の出来事が元になっているのだから、戦争の悲惨さとは実に残酷なわけですね。
その実際の戦争とはとりあえず別にして、「戦場の〜」で特に印象に残っている場面と言えば、主人公シュピルマンが収容所から脱走し、地下運動家たちにかくまってもらう中で、ピアノのある部屋に通される。しかし当然、そこは「空家」として近所の住民からは思われてるわけで、音を出したらただちに通報されてしまう。
だからピアノに馳せる思いは強いけれど、音は出せない。シュピルマンが、鍵盤の数センチ上を、鍵盤に触れることなく空弾くというところが、非常に感慨深い場面として心に残っています。映画館で見た時も、ここでは涙が止まりませんでした。
後はラスト近くで、ドイツ軍の将校に見つかり、しかしこの軍人は良い人で、彼がピアニストだと知ると、廃墟に置かれたピアノで「何か弾いてみろ」と。長年に渡って蓄積した疲労と、もちろん練習すら出来ない状況で果して指が動くのか?見ているこちらに思わず緊張感が走ります。
しかし、徐々に思い出してゆくかのように、シュピルマンの運指が早くなって行きます。その演奏を、ピアノに寄りかかるように聴くドイツ兵。その2人の姿が、まるで絵画のようにブルーのグラデーションに彩られ、時間が止まったかのようになります。
これはもう、映画界におけるひとつの名場面として、後世に名を残してもよいのではないでしょうか!いや素晴らしいです。
というわけで、ちぇっその名作劇場でした!
なんか今夜の「世界の車窓」からでは、「ちょっとしたトラブル」が発生するらしいですよ!ちょっと気になる!(でも毎日見てる人って少ないよな)

@ちぇっそ@