デスメタルの憂鬱

セクシー天国

セクシー天国

(↑なんだこりゃ?)
なんか最近、定休日の過ごし方がパターン化して来たような?
昼ぐらいに外食で、軽いものを食べる。今日はマックでベーコンレタスバーガーのセット。
特別マックが食いたかったわけではないのですが、食った後、少しくつろいで本が読みたかったのです(これも頻出するパターン)
見事に昼時にぶつかってしまったので、あまりゆっくりとも出来なかったのですが、それでも「アンナカレーニナ」を数十ページ読み進んで、後は第7編と8編の2章を残すのみ。
かれこれ、ひと月も読んでますかね。でも帝政ロシアの時代に、とっぷりと浸れて良いもんです。
腹ごなしにブックオフへと立ち寄り、ブラッドベリの短編集「歌おう、感電するほどの喜びを!」と、ジョナサン・キャロルの「蜂の巣にキス」を、それぞれ105円で購入。
読んでも読まなくても良いのですが、ブラッドベリの短編は何故かコンプリートしたくなる。
J・キャロルは、実は苦手。作者の代表作にしてダークファンタジーの傑作と評される、「死者の書」を読みましたが、微妙に歯がゆくて、私の嗜好には一致しなかったのです。他の作品も読んでからでないと、まだ見限るには早いと思いながら、ついぞ二の足を踏んでしまっていたのです。
しかし今作は、今までと少し作風が変わったとのことで、「今なら読めるかも」と思い、手にしたのでした。帯び付きで105円だし、ここは、そのタイミングを大事にしたいのです。
夜、ゴミを出しに行ったところ、下階でスナックを営むママと遭遇。
「こんばんは」などとあいさつを交わすワタクシ。するとママが切り出して来たのは、こんな言葉。
「大家さんに聞いたんだけどね、あなた音楽やってるそうね。今度、私も観に行ってイイかしら?」
あいや、困ったなぁ〜・・・(!)
こう言うとき、自分が演っているのがデスメタルでだったりすると、快く「はい、どうぞ!」なんて言えないんですよねぇ。
この気持ち、例えるなら、思春期に差し掛かった子供に、「赤ちゃんはどうやって生まれるの?」と訊かれた、親御さんの心境に近いものがありましょうか(そんな神聖なものじゃないって?)
「いや・・、ちょっと、“ヒドイ音楽”演ってるもんでぇ・・・」
と言ってみるも、
「うるさいのは慣れてるわよ。この間だって、“矢沢”に行って来たんだから!」
まあ確かに、PAシステムの規模で言ったら、私らがいつもやってる小さなライブハウスじゃ、比べるべくもない壮大さを誇りますけど。
こちらは“音の質”が違いますからねぇ。例え音量は抑えてても、“耳障りな騒音”のような音楽なのですから。
「あんまり・・、人に聴かせられるような代物じゃないんですけどォ・・・」
とは言ってみるものの、こちらの話などそっちのけで、自身の音楽への想いを語りだすママさん。
「私のストレス解消になってるのよォ。予定さえ教えてくれれば、どこへでも飛んで行くわ!」
遂に根負けした私は、
「ああ、じゃあ。今度、予定が決まったら(決まってるんだけどね)、そのときは教えますんで」
とりあえずのところ、早いトコ話を切り上げたいのと、近所付き合いの社交辞令として、このように残しておきました。
するとママさん、最後に一言。
「やっぱねェ、音楽はねェ。“メロデー”が好きなのよ!」
アイタター!!!
これはデスメタル者にしたら、一番耳にイタイお言葉!どんな爆音のノイズよりも、この時ほど強烈に鼓膜が揺さぶられる響きと言ったら、他に心当たるものがありません!
どうも、すいません。
しかし流石にこの時点になって、「メロデーのない音楽を演ってる」とは言えず、果たして、本当にこちらのママをライヴに誘ったものかどうか・・・。
ライヴに誘ったら誘ったで、
「こんな”死人みたいな音楽”やって!この、親不孝者!」
とでも呼ばれやしないかと心配です。

@ちぇっそ@