西新宿にあって「さいたま」とはこれいかに

サイとたま

今夜は、ウチのお店の近くに割と最近出来たラーメン屋へと行ってみました。「さいたまや」と言うそのお店。カウンターのみのこじんまりとした店舗であります。
「濃厚みそラーメン」と言うのにそそられ、早速券売機にお金を入れようと思いました。一杯650円、まあそこそこ、大都会の只中にあって良心的な値段ではありませんか。
ところがよくよく観察してみると、「半チャーハンセット」が“680円”となっているではありませんか。たった30円プラスでチャーハンが付いてくるなら、これはかなりのお買い得。
しかし大体この手の商法では、ちゃっかりラーメンが“ミニサイズ”になっていたりするもの。果たしてどうしたものか。もっとも、年齢を重ねるごとに食も細くなってきているワタクシのこと。そのような些事に気を揉むことなど無用。むしろ“半ラーメン”くらいがちょうど良い。安価で多数の食材に接した方が、人生の糧となるってもんですから!
注文を入れると、一体どこのお国の方だかわからない御主人が取り次いでくれます。アジア系には間違いないが、韓国でも中国ともニュアンスが違う。外国人にしては大変物腰の低い、人の良さそうなおじさんであります。
先ず出てきたのは、作り置きしてあったチャーハンの方。ラーメンが出てくるまでの繋ぎに、ちょいとひと口ほお張ります。とってもスパイシーで、エビのような甲殻類系の香ばしさがちょっと新鮮な感覚でした。
そして真打登場!件のみそラーメンはなんと、普通に出されるのと同じ大きさのドンブリに盛られてやって来ました。しかも麺の量が多い!これ、食い切れるのか?思わずそんな危惧を抱かせてしまう、学生食堂並のボリュームであります。
麺は極太。当世流行の太麺と比べても明らかにレベルが違う。まるで“きし麺”のように平べったい“ごん太”。ここまで来るともはや諦めがつきます。これは“こう言うもので!”ってな具合で、その食感を楽しませてもらいました。
スープは白く濁っており、濃厚との謳い文句から想像されたエグさはなく、確かに凝縮されたエキスが充満する密度がありながら、舌触りは実に優しくまろやかで、むしろ“とんこつ”に近いような感じがありました。
「激辛」と表記された豆板醤のような薬味を入れると、また更に風味が増します。最初は濃厚で柔らかいスープの喉越しを楽しみ、途中からこの薬味で辛味噌風に仕立て上げると、1杯で2度美味しい味覚が楽しめると言う趣向ですか。
なかなか悪くなかったですね。店主は外国人で、一体どこが「さいたま」なのかは不明でしたが(さいたまの有名店から“のれん分け”されたのかな?)、たまに寄りたい隠れた名店として、これからの選択肢に加えておきましょう!

@ちぇっそ@