巨漢ににも主婦の魂

さあ、いよいよですね!明日から、大阪〜名古屋とREEXミニツアー(プチツアーか?)が始まります。両日ともANATOMIAとCATAPLEXYが同行して行われる、血の濃そうな3バンドが贈る夢の饗宴であります!他の対バンさんも、どうやらその筋ではかなり知られた存在のよう。演るのも楽しみですが、ここはひとつ、ライヴそのものを楽しん来たいと思います!
そう言うわけで、ツアーのための様々準備をしなければいけなかった私でありますが、連日に渡って残業4時間以上こなしており、多忙な日々の中で今日の今日まで何も準備できていません!今日も帰って来たのは、日付をまたいでおりました。
どうしましょう。まあ、これから準備するとしますよ。ちょっとしたお泊りなら、自分の田舎に帰ることで少しは旅慣れている私でありますので、そこら辺はちゃちゃっと用意できるところですから。
さて、今日は職場で貴重なものを目撃してしまいました。私の補佐をこなしている、太ももが私の胴体くらいありそうな(これホントよ)巨漢のおばちゃんがおります。その彼女、その独特の存在感から既に年内いっぱいでの更迭が確定しています。
その言い方はちょっとヒドイんじゃないかと思われるでしょうが、いやしかし、ホントにマイペース過ぎて、とてもこの職場の業務を遂行するには大分心もとないところなのです。正直、私が生理的に受け付けない部分もあり、彼女と一番接する機会の多い私から、決定的なダメ出しをした次第。
毎度、こちらの予期せぬ見当違いをやってくれるのです。例えば私が、
「ここはこう“しちゃって”下さい」と言えば、「こう“しちゃえば”良いんですね」
と、口調まで真似るオウム返し。てっきり馬鹿にされたと思い、私はその時、結構「カチン」と来るのですよ。
それから、「A3サイズ(結構デカイよ)」の帳票を手渡すとき、この大きさで、これだけ“空きスペース”があると言うのに、帳票を掴んだ手元目掛けて手を差し出す。私のより肉厚で大きなな手で、私の手の甲を包み込むかのように接触してくるときなど、思わず背筋にむしずの走る思いをするのです。
またその体温の高さが、気色の悪さを倍増させる肉感に溢れているのです。これって、どう思いますか?私だけの被害妄想と言えるのでしょうか。しかし、今日の極めつけはこれでした。
「私手が空いたので、そちらを手伝いま“シ・ヨ・ウ・カ!”」
ちょっと待てオイ!なんだその「“シ・ヨ・ウ・カ!”」って!「しょうか」でも、「しょ〜か」でもない、そんな80年代チックな、「し“点”よ“点”う“点”か“(びっくりマーク!)」みたいな物言いが、この21世紀の仕事場で通用すると思うのか!驚いたと言うより、思わず無視しちまったい!
えーっと、つまり、とにかく厳しいわけです。言動のひとつひとつについて、いちいちムカついてしまう状況であることが伝わるでしょうか。まあ、だからと言って、「どうせ派遣なんだから、気に入らなければ“切って”しまえばいい」なんて簡単な、本来的には人事は私の好むところではないのですけど。私はあくまで労働者の味方でありたいと、常々考えているのですから。(でも、まかり間違って私がひょうんな事から巨万の富を手にした暁には、その誓約などただの紙切れと化すかも知れないが)
そんな予告された行く末を、知ってか知らぬか今日も巨漢おばちゃんはマイペースなのでした。彼女の携帯に掛かってきた1本の電話。それは自分の子供からの電話でした。彼女は離婚し、子供を抱える一人親でもあるのです。
一応マナーモードにしてはあるが、デスク脇のスチールの引き出しに、衝撃吸収の素材を床面に敷くでもなく直置きしていた携帯電話。着信の瞬間、普通の着メロより大きな音で響いてしまったたのは、ちょっと配慮に欠ける処置ではありました。
そしてそんなプライベートな電話を、事務所にいながらにして普通に出てしまう彼女。ささすがに小声ではありますが、子供のわがままを前に思わず感情的に叱り付ける彼女でありました。
「ねえ○○ちゃん!お母さんは今仕事中だから掛けて来ちゃだめでしょ!」
隣で聞いていた私は、さすがに思わず笑みを浮かべてしまいました。それが嘲笑の笑みだったのか、微笑ましい一場面に触れたための和みであったかは何とも言えないところ。どうにも仇敵ともいえる彼女でありますが、そんな私生活の貴重な一端を垣間見た瞬間でありました。

@ちぇっそ@