悪夢

超常現象研究所のアッシュのもとに、とある古屋敷の調査依頼が舞い込んだ。屋敷には3人の兄妹とその祖母が住んでいたが、この家族には何やら不審な点が多いと感じていた。いたずら好きの末娘がその秘密を握っていそうだ。やがてアッシュは怪奇現象に見舞われる。一家にまつわる謎とは一体何であろう。ことの真相が明かされたとき、身の毛もよだつ恐怖が襲う!
英国のホラー作家ジェームズ・ハーバートの怪奇長編。
いわゆる幽霊屋敷もののモダンホラーですが、スプラッタ描写は抑え目に、イギリス流の古典的な恐怖物語となっています。
特に目新しさを感じるものではありませんが(と言うか、かなり早い段階で幽霊屋敷の秘密が予想出来るのですけど)、さすがベストセラー作家だけあって情景描写に長けており、かび臭い古屋敷にまとわりつく闇の暗さなどを堪能出来るのではないでしょうか。
個人的には少し物足りなかった部分もありますが、時に主人公アッシュが過去携わった超常現象調査の仕事などが挟み込まれ、一冊の長編の中で何編かの短編を楽しめるような趣向になっています。

@ちぇっそ@